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来てほしくは

中間テストはつつがなく終わり、蒼井は何とか両親に文句を言われないだけの点をたたき出し、バイトに戻ることになった。


「お久しぶりです」


「ああ、お疲れ様」


店主は蒼井が来るのを見て奥に引っ込んでいった。


蒼井はその間に荷物を置いて身だしなみを整える。


それが終わったころ、店主が冷たいお茶とともに戻ってきた。


「私は奥にいるから、何かあったら呼んでおくれ」


「はい」


その日は人も少なく、蒼井はほとんど猫と戯れていた。


そして、夕方の五時。


(来るかな)


ちらちらと外を気にしながら店番をして、五時半、六時。


六時になったとき、おばあさんが後ろから出てきた。


「もう閉めようか」


「はい」


蒼井は淡々と店じまいの用意を始める。


「あれ、あの子は今日は来てないのかね」


「……はい」


蒼井は、落ち込んでいないと思い込もうとした。


有栖が来てくれるのを期待していると思われてしまいそうだったから。


「そう落ち込まんことだ」


「別に、来てほしいとも思っていないので……」


おばあさんがは何か言おうとして、けれど何も言わずに蒼井の背中を押した。


「ほれ、暗くなるさかい、はよ帰り」


「はい。また明日」


蒼井がふと顔を上げると、誰かが店の前を通り過ぎていったのが見えた。


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