白雲に恋した水平線
声をかけること
いつも勇気
ドキドキため息
いまも動悸
セピア色した
一枚の記念写真
おさない笑顔そこにはめ込んで
ありふれた日々の
ふたりの詩が木漏れ日のように
目の前いっぱいあふれだした
懐かしき光の輪が瞬きをくりかえし
こんなにも胸を躍らせてくれる
足元に聴こえくるのは
やさしいさざ波のメロディ
水浴びを急かす子供のような
あなたの水着姿が今でもまぶしい
黒い瞳で笑って黒い髪を撫でて
さした指先は水平線か白い雲ね
記憶の片隅に残した友情の汽笛
おもいでの片道切符に変わった
それでも過ごした季節 色褪せないから
あなたがえがいたレールの上を
息を切らしてわたしは今も走る
夢中で走って遠ざかる景色に
あなたはもう映らないままで
ノスタルジーはセピアにきらめいて
写真立て手にするたび
感じてるサブリミナル
遠い日の黄金の輝きに祝杯あげる術はない
あなたはずっと手の届かないままの人だった
白雲と水平線が恋に落ちてしまったようなもの
粛々とじぶんに言い聞かせてしまう
結ばれないまま繰り返すもどかしい気持ち
だれにも知られずに抱えて
わたしもあなたが目指した
涙を乗り越えるための航海に
いつしか旅立ちたい
読みに来てくれてありがとう。