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わかれ
飛べないと知ってて
気球はどこへいく
ともだちは遠くにいる
もう近くにはいない
船旅をして名もない街で
お別れをしてきたのさ
あすの朝日は
古き友のふるさとへ
その次の朝日は
別れを告げられたあの日まで
未来の朝日は
ぼくだけが見ている
きみも見るはずだったのに
ぼくだけが見ている
海の上
出会ったべつの船
もどってくれるなら
きみに譲るよから
いまか いまかと
遠き日のできごと
もどってほしいと
朝日を愛しながら
ぼくのつくった船だけど
ふたりの船旅は
その終着点は
ありえないほど遠くて
月に向かうという
銀色の船に
乗りかえたのだろうか
あすの朝日よ
こたえておくれ
船長の座は
いつでも空いている
便りくる日を
あといくつ
願えばいいのか




