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夢のお引越し
ハイケー (拝啓)
母上さまへ
きのうまでの
薄汚れた暮しにさよなら
住み慣れた田舎
アパートを引き払って
抜けるような青い空に
向けた瞳かがやいて
新居は高級でもないけど
フローリングつるつるぴかぴか
家具はベッドを置いた
生まれてはじめてベッドの上に
足を広げて飛び乗った
前のすみかは壁がうすくて
勝手にものを取りつけられない
新しい生活に一番に取り入れること
日用品よりも先に
しておきたいこと
壁になるべく棚を取り付けて
スーパーで最高級の
牡丹餅たくさん手に入れたんだ
とてつもなく良い事おこる
それが日本の国で
棚から牡丹餅とならったからなのさ
故郷の家は貧困の外国
ワタシは出稼ぎにきて
ニッポンじんになったんだ
まいにち牡丹餅
棚の上にお供え
牡丹餅おちてくるたびに
ワタシは出世するんだと
ワタシはいつか
いつの日にか
牡丹餅だいじんと
呼ばれているだろう
故郷に錦を飾れる日が
楽しみでお引っ越しの今夜は
とても眠れそうにない
ニッポンのみなさま
おやすみなさい
ニッポンじんの初日に
見た夢はワカラナイ
ただただ
しあわせなゆめだったコト
それは言うまでもナイことネ
ケイグー!
(敬具)
・・・
読みに来てくれてありがとうございます。




