窓の向こうから見守る兄
……よかった。
瑞希にも、友達ができたみたいだ。
ベンチに座っていた女子3人に何か頷いていたけど、相手は上級生だろうか。
ずいぶんと話し込んでいたみたいだけど、何だろう。
持っていた本の中身が難しかったんだろうか。
後から来た男子生徒は誰だろう。
瑞希と比べると結構、背が高いような。
なかなか隅に置けないな。ああいうのが好みなのか……。
なんだか、寂しい気もするけど。
出会った時も、可愛らしいなとは思った。
しばらくすると、メチャクチャ気が強いのが分かって閉口したけど。
凹んじゃうくらい、こっぴどく叱られたこともあったっけ。
……あ、女子が3人とも、席を立った。
1人ずつ、瑞希に一言残していく。
その中の1人はわざと擦り寄っていった。
最後の1人は……肩なんか叩いて。
よかったな、センパイにも気に入られて。
……あれ?
男子生徒は、何か大きな紙袋を持ってる。
瑞希に差し出したけど……もう、そういう仲?
なんだか、妬けるな。
どういう相手は、聞かないでおこう。
というか、二重の意味で怖くて聞けない。
つきあってるとか言われたら……言わないよな。
たぶん、真っ赤になって罵詈雑言ぶつけてくるはずだ。
そっちのほうが怖い。
たぶん、心が折れる。
まあ、頑張れよ。僕の妹。




