読むのは一瞬じゃないんですか
相変わらず思いつきと勢いで短編を書いている私ですが、最近気づいたことがあります。
【読者の方は、私が思っているよりずっと読み込んでくれている】
ということです。
私は、ばーっと読んで「このへんつまんないから読み飛ばそう」「ここ意味がわかんなかったけど、まあいいか」と、たぶん作者のかたにとってはとても失礼な読み方をしていることが多いので(すみません)、私の小説を読むかたもきっと、がーっと読み飛ばしてるはず、と思ってました。
でも感想欄で「この人物の感情はこうですか」とか「この人物はこう考えたんでしょうね」とかの考察を書いてくださるかたがいるんです。「えっそんなこと気にしてくれるんですか!」とびっくりしました。
書いてる時はなんとなく書き飛ばしたところも、ご感想の返事を書くために「どういう感情だと思ってこう書いたんだっけなあ」と思い起こして、それを言葉にするのにまた考えたりしてます。だから「なんだか投稿してからのほうが小説の深掘りをしてるような?」と思います(笑)。
結果的にそれがまた、新しいお話の元になったりするので、とてもありがたいです。
ありがたいことなんですが、ちょっと怖いです。
というのも、私が昔マンガを描いていたとき、「読むのは一瞬です」というのが救いの言葉だったからです。
絶望的に絵の才能がなかったので、「うわーこの表情これでいいのかな」とか「なんか効果線まちがった気がする」とか、自分の原稿がものすごくひどいものに見える時がありました。でも、知り合いのマンガ家さんが「読むのは一瞬です。読者は気にしません」と言ってくれて、「そうだよなあ、私もマンガ読むとき、パラパラってページめくっちゃうもんなあ、1コマを見る時間なんて一瞬だよなあ」と思って、「そこまで細部を気にしないで描く」ことができました。
もちろん、細部にまでこだわって描いてらっしゃるマンガ家さんは大勢いらっしゃいますし、そういう方のマンガは一瞬どころか、何度でも、何時間でも見続けられる眼福ものだと思います。でも私のマンガは、まずデッサンが不自由で、本当にバカバカしいギャグだったので、細部にこだわる読者のかたは、まずいなかったと思うんです。
だからとても気楽に描いてて、小説もその調子で気楽に書いてました。
でも小説は、マンガより読むのに手間がかかりますよね。マンガだったら一目でわかる見た目や動作を、文章から想像しないといけないし。だから、時間をかけてじっくり読むかたが多いのではないでしょうか。
そのせいか、マンガだったら「バカかw」の一言で忘れられるような話なのに、小説だと「奥深い」と感じるかたがいる。読み流さないでもらえることは、とても光栄で幸せなことなんですけども、ポンチ絵出身としては、「そ、そんな奥まで見ないで……」という気持ちになってしまうのです。




