プロローグ
電灯があり、通信機器もあり、自動車が無い時代。
この世界には「鬼」と呼ばれる生物がいる。陸上の食物連鎖の頂点に位置し、人間は好物である。人型で夜に溶け込むような黒い皮膚に赤い目。成体の体長は2mを超え、高い運動能力を有する。
誕生の期限は人間が先か、鬼が先か、それはわからない。人間は鬼に対抗する術を持たず、鬼の少ない地域で暮らすばかりだった。しかし、鬼に対抗する術を持つ者が現れる。
フロウという力を使う者だ。人体に流れる言わば気のようなものである。とある人物がこのフロウを操る術を見出し、人間が唯一、鬼に対抗できる力となった。
理論上、全ての人間にこのフロウは存在する。しかし、フロウを使える人間は限られる。才能が必要だ。
このフロウを使う人間は次第に増えた。やがて、人間は街をつくるようになり、このフロウを使える者が街を守るようになる。そのような街が点々と増え、文明らしいものを持つようになる。街と街の交流を持つようになり、文化も伝達される。
人間の暮らしは豊かになっていった。
このフロウを使う者達は、鬼から人間の繁栄を勝ち取った者達とされ、「フロウウィン」と呼ばれるようになる。このフロウウィン達が世界的に協力し、協会を設立する。既存のフロウウィンの数を把握し、地域、街ごとに配置することを目的としたものである。この協会の影響もあり、人間はさらなる繁栄を約束される。
この協会に、1人の青年が入会しようとしている。
ここから、再度始まるのだ。




