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まだ名もなき怪物達 第4部ー神代蒼真ー  作者: HANA


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エピローグ

ざわめきが、静かに消えていく。


広いホールに整列した隊員達。

幹部、来賓。

全員の視線が、一点に集まっていた。


壇上脇からゆっくりと歩いてくる。

ホールのライトで輝く銀色の髪。

神代蒼真。


背筋を真っ直ぐに立っている。

名前が呼ばれると形式通りの拍手が起こる。

音が遠く感じた。


ー夜は、明けた。


演台には原稿。

それを見る必要はなかった。


視線を真っ直ぐ前だけに向けた。

立っているだけで体中が痛みだす。

だけど顔には出さない。


「第8代 黎明総統、神代蒼真です」

低い声がマイク越しに静かに通る。


空気が張る。

誰も動かない。


「全員、帰す」


視線が、ホールの全員をなぞる。

第一特務隊の中には悠真の姿が。

第二特務隊

一般隊列

医療スタッフ列

後方…家族席

澪と麗華、華凛、蒼志の子供と華凛の子供達

そして、壇上脇に車椅子と酸素を準備して控える蓮と蒼志


ーこれが俺の帰った場所だ。



「……そして、帰る」


マイクから音が落ちる。

誰も、息をしてないみたいに静かだった。

蒼真は動かず続ける。


「それが黎明だ」


蒼真が一礼すると一拍遅れて拍手が起きる。

最初は小さく、やがて、大きく。

波みたいに広がっていく。


背負ってきたものその全てを降ろして

蒼真は壇上脇へとゆっくりと戻っていく。


「無茶して…」

蒼志がすぐに車椅子に座らせ、蓮が酸素マスクを押し付ける。

「……最後だからな…」

「相変わらずクソ野郎だな」

蓮が鼻で笑う。

「…父さん、おかえりなさい」

「……ただいま」


波のように広がった拍手はいつまでも鳴りやまなかった。

戦い抜いた怪物たちをまるで祝福するかのように。




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