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九鬼のお話

 ホームルームが終わって、数分たったら、後ろからクラスメイトで、仲の良い九鬼 政(くかみ つかさ )が声をかけてきた。俺は下校途中に双葉と二人で山坂のお見舞いにでも行こうかと一人で考えていたが、こいつも連れて行くか…と考え



「おはよう 九鬼 。今日の帰りに真斗の家にお見舞いに行かないか?」

 

 と、聞いてみた。しかし、彼の口から出てきた言葉で、俺は驚いた。なんと、山坂は行方不明であるとの噂がたっているらしい。



「てっきり、リオなら知ってると思ってたが、そうか…お前も分からないか…」


 と、かなり心配した様子の九鬼。俺は、



「真斗は以前アキバに行ったまま終電逃して、ネカフェで過ごしたとかいう時もあったし、大丈夫でしょ」 


 と、言った。むろん、これは過去にあった事実なのだが、今回もそうとは限らない。

 ハッキリ言って心配だ。俺の不安そうな顔をみてか見ないでか分からないが、大丈夫だよな!多分…と、彼は俺に話そうとしていた話したかった話題に話を戻す。


「あの、先生。つまりは、うちらの新しい担任なんだが、同じ16歳らしいぞ?」



 一瞬にして、思考が止まった。

”センセイ?16サイ?”

 

九鬼は、俺の友人で、少し成績ヤバめで、クラスのみんなから人気があって、バスケ部で頑張っているヤツだが、こんな変なウソはつかない。というかつく必要性がない。だって、彼が見られるのは俺の驚いた間抜けヅラだけだから。


 どうやら九鬼は俺の間抜け顔を見たかった訳ではなさそうだ。



「おい、リオ。ちゃんとミーちゃん先生の話しを聞いていたのか?」 


 九鬼がため息混じりで聞いてきた。なんだよその顔は!俺は無言で首を縦に振りながら、


「そのミーちゃん先生とかいうのが、さっきの転校生もどき…もとい、新しい担任なのか?」


と、きいた。全く聞いていなかったっぽいからと、九鬼は大体の話を分かり易く、ダイジェストで教えてくれた。ハイライトは以下の通り


1:ミーちゃん 17年前に日本で産まれる

2:幼少期にアメリカに一家丸ごとうつる

3:飛び級に飛び級を重ね、昨年名のあるアメリカの大学の教育学部を卒業する

4:つい最近、この学校の採用試験を受ける

5:朝、俺らの教室に入ってくる


で、ある。

 カオスだ。この学校の人間は何をしている!?高校生に対して同い年の教員をつけるとか正気の沙汰ではない。てか、この学校は公立だよな?!いつあの校長に乗っ取られた?!



考えれば考えるほど、頭が痛くなる。しかし、あれだ。真鍋先生は、いづこ?あの担任(もう元担任か?)どこいったんだよ!九鬼は、俺の不思議そうなの顔をみて答えた。

 

「真鍋先生なら、隣の一組の担任(俺らのクラスは二組だ。)であった女性の先生と結婚して、今は結婚旅行と称して世界一周の旅を二人でしているらしいよ」

 


 と、教えてくれた。成る程、わけわからない。更に九鬼は、どーでも良い情報を一つくれた。



「どうやら、一組の新しい担任はオッさんだったのに対し、僕らのクラスには可愛い同い年の先生。一組の人々が二組を羨ましがっている」


 と…情報自体は大して驚くことでもなかった。それよりも、俺は九鬼の情報収集能力に対し驚いた。

ホームルームが終わってものの数分。そのあとすぐに俺の元に来たと考えると、こいつはFBIとかの調査官に向いてそーだなと思った。まあ、本人にいうと、バカにされるor調子に乗って手が負えなくなるのどちらかだから、言わないが…

始業のチャイムが鳴り始めたので、九鬼は”じゃあ”と言い残し、自分の席へと戻って行った。


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