幼女会長の依頼 4
「...副会長『島釜 伊夏』との恋を成就させたいのです!」
どうやら落ち着いたこともあり、おそらく素で食い気味に乗り出す会長。
生徒会は現在、会長と副会長、そして書記の三名で活動しているとのこと。
本来はほかに会計もいたらしいが、今は空席とのこと。
次に副会長だが、彼は一より女子に人気があるらしく、文武両道、成績優秀、あらゆる部活で助っ人をこなす。
あ、腹立つイケメンだわこれ。
人気投票の花に対し、彼はそのハイスペックな実力で今のポストを手にしている。それも一年のころから。
松尾会長の見た目に似合わない手腕、島釜副会長の高すぎる実力が今の生徒会で、未だその地位に上級生からも不満を持たせない。
そんな彼女の相談が恋。俺に聞かないでほしいが。
「...あの、別に友達とかに聞いてもらえます? 俺専門外なんで」
「ほう、それは初耳じゃの?」
要らん事いうなマヤ。
すると会長は暗い顔をしだした。
「なんです? まさか友達ゼロっておちじゃ」
「あ、それはない」
清々しいほどキッパリと否定し、
「......むしろ困っている」
「は?」
理解できない。友達がいて相談できないとはいったい...。
そして会長は、
「......先に言っとくけど、これは私の自慢に聞こえてしまうかもしれないけど、今とっても困っているんだ」
と前振りをし話し始めた。
「イナツとは、家の関係で幼少からの付き合いなんだ。もちろん、誰にも今まで話していないから口外はしないでほしいんだけど、家は一般家庭よりかなり裕福で、彼は私の専属の『執事』なんだ」
なんとも漫画みたいな話だが、ファンタジーと一緒な俺が言えたことではないだろう。
「なんか、主に似たものを感じるな」
「どこが」
俺は執事じゃねーよ。
「...それで中学、高校と今まで一緒で、きっといつまでも一緒だと思う。でも、それは『お嬢様と執事』として。私は幼馴染であると同時、彼にずっと恋しているんだ」
「幼馴染、ね~」
身近にもいたな、それ以上に行けないバカが確か。
しかしマヤはにやにやと俺を見る。いや俺心当たりねーよ。
「それで、中学でも会長をしていたんだけど、そのころから学校ではファンクラブが出来てだな......その、イナツと私の二つのファンクラブがね」
「そういや早くもお前もファンクラブできるって話だったな」
「そーじゃの」
相変わらず、自分が興味ないことには適当だった。
「...問題は、そのファンクラブは私とイナツが付き合うことにむしろ積極的なのだ」
「よし解散!」
「待って!」
去ろうとした俺を涙目でしがみつかれてしまった。
「その、私はあくまで片思いで! 周りの空気に合わせてもしもそう思ってないイナツに付き合ってもらっても意味ないの! だから助けてよユウマ君!!」
「分かりましたからッ! 伸びるんでパーカー放して!!」
パーカーの危機に俺はすぐ席に座ったため解放され、マヤはヤレヤレとしていた。
言いたいことはわかる。確かになし崩しのお付き合いって両方不幸にしかならないんだよな。うん、俺は良く分かる!
でも、それなら聞いとくべきことは一つある。
「...でももし気がなければ振られるってことを了承するってことですよ? いいんですか?」
そこが重要だ。既にあらかた計画はできている。だがここで否定されれば練り直す。
別に苦ではないし、両想いにしたい気持ちはある。何より―――
彼女は深呼吸を数回し、静かに俺を見据え、
「両想いじゃなければ不幸にしかならない。気がないならそこまでで諦める」
その言葉に、俺は計画を話した。




