あの理事長にして、この会長あり 4
「…ぜー……ハァー…ゼー……」
現在生徒会室入り口。開けた扉に手をかけ息を整える。
いくら放課後とはいえ、生徒がゼロでない学校で魔法は行使できず、全力で二階から三階奥の生徒会室に駆け込んだ。
失礼極まる放送を止めたのは、130センチの女子生徒だった。
「あら、驚かないのね?」
「……ああ。つい最近似た事あったから、そっちに比べれば小さいな」
理事長とは違い、彼女はどうやら見た目で判断してはいけない部類のようだ。
「…で、用件はなんですか?」
「その前に、警戒せずにソファーに座らないの?」
と勧められたソファーに目を向ける。
あれだ、座ったらダメになりそうな心地よさが目でもわかる。いや座りたいけど、座りたいけど!
「…じゃあ用件が三つ。その一つを聞いたら座って欲しいな」
と、向かい合うソファーの片方に腰掛け、用意されたティーカップに二つに紅茶を注ぐ。
「…自覚はあるんだ。見た目に似合わず《生徒会長》をしている自分にね」
反対側に紅茶を置き、
「……だから、この学校の長として、君が無害か有害か見極めないといけないんだよ」
少し前にも向けられた疑惑の目。更識と同じ、簡単には崩さない疑心。
更識では運が良かったのか、麻央と相性が良かったのか解くのに時間はかからなかったが、彼女はどうだろうか……。
「…まあ、信頼関係は必要だろう、お互いにね」
と再び手で促され、俺はため息と共に席についた。
「…おや、警戒は解くのかい?」
「ああ。互いに睨み合っても仕方ないだろ?」
「……すごいな君は。普通、相手に疑惑の目を向けられて友好姿勢など、出来はしないぞ?」
「生憎、生徒愛のある生徒会長に警戒するほど疑心暗鬼な生活はしていませんので」
「……私を生徒会長と疑わない姿勢もかなり好印象だが、君の計画かい?」
と不適に微笑む彼女に、
「…さあ?」
と苦笑しながら紅茶をすする。毒どころかかなり高そうな味がして途中でパッと彼女をみる。
「……なあこれ、後で請求こない?」
あまりにいい味だから恐ろしくてつい聞いてしまったが、きっと思ってなかった会話だったのか彼女は吹いてしまい、
「……ははははは!! そこまで生徒会はセコくないって!!」
俺はどうやら、またシリアスな場面をぶっ壊してしまったらしい。




