表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第一章 霧と監視に追われたもの
69/273

そして今日も少女は悩みの種 4

 夢は、時として『夢』だと認識することがある。認識できた時、その夢で自由に動けたり、夢そのものを変えたりできるだろう。



『ごめんなさい』

 今にも泣きそうな麻央がそこにいる。

 自信を砕かれたバカな俺が、そこにいる。

 麻央は走った。それを俺はしばらく追えずただただ立ち尽くし、我に返って追っかけた。

 謝罪の意図もわからず、過信した自分に嫌気をさして走り、そして––––手遅れだった。


 魔王のおっさんが虫の息で、麻央は返り血で真っ赤。

 訳がわからない。どうしてそこからおっさんを殺す事になるかを。

 だが、『まだ間に合う』。

 俺はおっさんに駆け寄り、油断してた麻央の前で転移魔法で何処かに飛んだ。


 着いた先に危害を加えそうな奴はいない。俺はすぐに止血をしようと物を探しに行こうとしたが、まだ息があるおっさんが俺の手を掴む。

『……娘にだけは殺されたくない』

 たまに見せるイケメン面に、覚悟に、俺は答えろと心が叫ぶ。


 俺は、あいつらの父親を殺した。


 だが、魔王への復讐の意思は最後まで目覚めなかった。



 俺は埋葬し、麻央から逃げるように城を、魔界を出た。





 夢は切り替わった。


 次は優華と麻央の一騎討ち。互いに剣を振り、魔法を撃ち、しかし決着はつかない。

 力量は互角。すでに四天王、勇者一行はほぼ全滅。

『…もうやめて、マオ』

 しかしユウカの声は届かない。古から続く呪縛《大罪》の力でマオは暴走する。

 同じく古の、天使まじりの勇者のユウカも解放し戦う。


 この決着はきっと、共倒れしかないことを、旅を通して知っている。


 ユウカが負けても異端審問会が出張って弱ったマオを殺す。


 マオが負けても、異端審問会が『のちの脅威』として封印、又は殺害する。


『異端審問会』はイディオの絶対的力。逆らうことができない災厄。

 でも、それに共感する民衆だって罪がある。

 いい奴がいるのに、世界は悪者を肯定しようとする。善と嘘つく悪を。

『異端審問会』の、あの男の本当の目的は『永遠の大戦』誰かが誰かを殺すのを眺め、時に加わり、ただ自分の欲を満たすだけの大戦を。


 一年かけた。いろんな種族の協力も仰いだ。

 だから、誰にも知らせない『俺の計画』の、最後のプロセスまで来た。


 古今東西、共通の敵を前にすれば皆が一致団結する。しかしただの敵ではダメだ。今だと『魔王マオ』を超える悪でないといけない。


 だから力をつけ、この日、俺は魔王と勇者を倒して世界に宣言した。『魔王と勇者に両親を殺された俺が、これからこの世界に復讐する』と。





 復讐なんて、考えていないくせに。俺は嘘吐きだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ