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霧払い 1
ドーン! と音がした。
後方を確認すると、あのオークの右腕がこちら側に吹き飛んできて咄嗟に避ける。その腕は千切られたと言うより、爆発したように切断面が焼けていた。
そして、再び爆発音が響き、さらに後方から何かが近づいているのが見える。
「…って、『高機』じゃない!!」
見た感じだいぶ弄られている高機動車が、山道でかなりのスピードを出して登ってくる。オークの股下を抜け、
「おまけだー!」
と小中が手榴弾のようなものを投げた。
「目を閉じろ!!」
どうやら閃光弾で、目を閉じてなお強烈だとわかる発光で、目を開けるとオークが目を覆って尻餅をついた。
「早く乗れ!」
高機が目の前で止まり、後部ドアを開いたハジメに促されるままみんな乗り込み、全速力で山頂へ走り出した。
だが、サトシは窓枠から身を乗り出し、
「おっしゃ! じゃー俺も!!」
と何かを握っていた。
「バ、バカやめ––––」
サトシの行動を理解していたハジメ、そして先ほどのことを知ってる私とハンサが止めようとしたが、既に彼の手にそれはなかった。
ドーーーン!!! と、強烈な振動と爆風が伝わってきたのは言うまでもないだろうか。




