最終話
九月一日。
今日からアタシは、オオカワたちのいる品川の現場に入る。
とはいえ、社会人初の長期無給休暇明けで、なんだか気持ちがパリッとしない。
昨夜は早めに眠ろうと思ったのだが、ここのところ夜型の生活が続いていたせいで、やっぱり午前二時くらいまでDVDなどを眺めていた。ビールを飲みながら。
朝はコーヒーのブラックで眠気を醒ました。明け方に妙な夢を見ていたらしく、首がやけに凝っている。
派遣スタッフがその現場にはじめて入ることを入職というが、入職にはふつう営業担当、この場合はトミタさんが付き添うのが常だ。が、彼は別件で忙しいらしく、アタシは独りでも大丈夫ですと断った。
品川のオフィス・ビルにきたのは面談のとき以来だ。
さて、今日からアタシはこのビルのなかで働くことになるのだ。よろしくちゃーん。
エレベーターで五階まであがり、システム・ブルー社の受付にむかった。受付に設置された内線電話で現場の担当者を呼び出した。
あらわれたのは四〇代半ばくらいの男性だった。
「あ、どうも、おはようございます」
そう言って男性は名刺を差し出した。ニシムラ課長というらしかった。このかたに会うのは初だ。
「よろしくお願いします」
アタシはかるく会釈した。こっちも名刺を出しそうになるのは、営業時代のクセだ。
ニシムラ課長の案内で、アタシは現場に通された。
いたってふつうのオフィスだ。知らない顔が一人と、もう一人はオオカワだった。
「えーと、今日からまた一人、協力会社のかたが配属されます」
ニシムラ課長はアタシのほうを見た。
「じゃあ、かるく自己紹介をお願いします」
「オオカワさんと同じマンパワー・パラダイスからきました、浦野ぼたんと申します。よろしくお願いします」
アタシはそう、言った。
ご愛読ありがとうございました。
このオチはだいぶ前から考えていたものです。
かなり強引ではありますが、まあ、いいかなと。
最後にひと言だけ言わせてください。
……舞っちんぐ!




