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ヒロインが初登校してきました

淳にぃと一定の距離の置いて学校に着く。その後ろで女の子の声が騒がしいけど気にしない、気にしない。今頃は普段のヘタれではなく俺様風に皆様に対応していることだろうなぁとは思うけど、私には関係ない。



1年生の教室はすべて4階にあるため、全く運動しない私にはとても辛くて教室に着いたときには少し息切れしている。私のクラスはC組で全部でEクラスまであるのだが実はもう一つ芸能科クラスがあったりする。略してG組。これでF組があったら順番になっていたのにと何度思ったことか。

私の席は一番後ろにあるため後ろのドアから入る。あと5分で朝のSHRの鐘が鳴るのにクラスには私を合わして35人中6人しかいない。まだ、入学式から1週間しか経っていないため、どうやら私のクラスはルーズの人が多いようだ。

席に座り、昨日の淳にぃのカミングアウトを思い出す。



登校してくるのは今日だと言っていたが、本当に来るのだろうか?いや、生徒会の人だし、次期生徒会長様だ。前世のことがなくてもわかるだろう。問題は山積みだが、今の一番の問題はそのヒロインがどんな子であるかだ。見た目のことを聞いていないからどんな子なのか見当もつかない。転生者だった場合逆ハーを狙うかもしれないと言っていた。そして何らかの大きな力が働いてしまうのではないかと危惧していたな。

私としては、いやいや、それはないだろうと全力否定したいところだけど、転生者がいて攻略対象者がいてヒロインがいて乙女ゲームの世界だ。神様のようなものがいても不思議じゃないので言わなかった。



「おはよう、柚月。どうしたの?眉間にしわなんか寄せちゃって」


私は眉間にぐりぐりと人差し指を押す相手の指をやめさせるために掴んで外す。



「いきなり何するのさ、紗由莉」



黒井 紗由莉。私の中学の頃からの友達で同中からこの学校を受けた数少ない人の一人。出会いはすごく単純で中1の入学時に苗字が近いこともあり、前後だったため。実は今年も前後になって紗由莉は私の前の席へと座る。

仲良くなったけど、性格は全く違うし、趣味も違う。息が合うというか、タイミングが合うというか、気が合う?みたいな。一緒に居てても苦にならない。外見からも違う。私は平均身長より高めの167cmの黒髪で腰までは届かないけどロングストレート。対して紗由莉は低めの152cmでミルクティーの髪色でふわふわと首元から下をゆる巻きに。本人曰く、朝大変なんだそうだ。運動能力は紗由莉は大変高く、中学ではよく運動部からの勧誘をよく受けていた。本人は断固として帰宅部を貫いたが、助っ人はしていた。そして私は・・・お気づきであろう。平均よりちょい下(だと思いたい)ぐらいである。勉強に対しては勝っていたいと思う。だがしかし、同じ高校に受かったのだから同じぐらいだろうと思いたいが私がここに受かったのは淳にぃが面倒見てくれたおかげであり、紗由莉は実力で、しかも余裕で受かったのだから紗由莉に軍配があがるだろう。



平凡な私の親友はスペックが高い人間である。



「今日も先輩と離れて来たの?」

「もちろん」



紗由莉は私と淳にぃの関係を知っており彼女は名前ではなく「先輩」と言ってくれたことに感謝する。誰が聞いているかわかったもんじゃにもんね。



他愛ない会話をしていたら私の隣の席の人が来ていたことにイスを引く音で分かった。すると紗由莉は私との会話を中断して隣の席である彼に挨拶をした。さて、ここで紗由莉の性格について語ろう。見た目に反して結構サバサバしたとこがあり、姉御肌な紗由莉である。なのでよく女子から相談されたりもするし、先生からも頼られている。しかし彼女はほかの一面もある。



「橙乃くん。おはよぅ」



私と話していたよりも高い声で挨拶する誰だよコイツ状態の紗由莉。もちろん上目遣いは忘れないし萌え袖というのだろうか袖部分が手の甲を覆いそれを口元に寄せる。そう、紗由莉は気になる人には超絶ぶりっ子モードを発動する。誰ふり構わず男子だけではなく自分が気になる人は好きな人にしか発動されない。彼女持ちには例え好きになっても絶対しないのがポリシーだそうだ。中学時代ではそんな彼女にほかの女の子達はいじめようとしていたのだが彼女はそれに怯えもしずに「全力を出して好きになってもらうことの何が悪い!」と真正面に断言。まさに"獅子摶兎"を体現しているような女。


そんな彼女が今回ターゲットにしているのは私の隣の席の橙乃 旭陽。すでにこのクラスの2大イケメン様の1人であり、その方同様そろそろファンクラブも設立されるらしい。そのファンクラブについて紗由莉に入るのか聞いてみると「色々ありそうでイヤ」だそうだ。ちなみにもう1人のイケメンにもこのモードで、見ているととにかく今はイイと思った人には発動しているみたいだ。



「おはよう、黒井。それに黒川もおはよう」



橙乃くんは何も言っていない私にも挨拶してくれる。しかも爽やか笑顔付きである。オレンジベージュの髪に制服の着こなしはきっちりとはしていないけども、清潔感あふれる姿。私が彼について知っていることはとにかく彼は爽やかな人であり、優等生であることだ。



まだ全員が揃っていないことによってまだこのクラスは委員会などの係決めをまだ行なっていない。だが、彼がクラス委員長になるのではないかと話されていて、クラス委員長は男女一人ずつなので女子の方は候補者が殺到するのではないかと思われる。私は無難に教科係とかを狙おうかな。



彼が来たことにより、隣の席は人で溢れかえっており、人口密度が高い。しかも女子だけではなく、その爽やかさから男子にも人気である。目の保養が近くにあるのは嬉しいがここまでくるとさすがに周りの人たちがうるさい。もしファンの方々に席が隣りだからとやっかみを受けたら私はどうしたらいいのだろうか?席替えを早く所望する。




「そういえば、紗由莉って乙女ゲームしたことある?」

「・・・どうしたの急に?まあ、やったことあるけど」




私は乙女ゲームの主人公がどんな娘なのか知らない。名前は昨日淳にぃから聞いてたからわかるけど、さすがに容姿まではわからない。



「そういうののヒロインってどんな娘なの?」

「ヒロイン・・・プレイヤーのことなのかな。そうだなー、だいたいどの乙女ゲームも感情移入しやすいように容姿とか勉強面とか平凡的でゲームによってはミニゲームとかでオシャレ度とかそういうの上げたりしたりするよ。何ならやってみる?私持ってるし」

「いや、それは別にいいかな」




紗由莉と雑談していると朝のSHRの鐘が鳴り、担任が入ってきたと同時に隣に集まっていた人たちも自分の席へと帰っていった。



「今日から入院していた生徒が登校してくる。彼女は廊下にいるから呼び出すぞ。おい、入ってきていいぞ」



まるで転入生が来たみたいな雰囲気でクラスメイトがガヤガヤと騒ぎ出す。その中で前の扉を開けて、私たちの前に現れたのはピンクアッシュのふわふわ揺れる髪にパッチリとした大きな目に服の上からでもわかるほど綺麗なスタイル。何が言いたいかというと、とにかく超絶美少女である。



「虹野アリサです。遅いスタートだけど、よろしくお願いします」



紗由莉の嘘つき!この娘のどこが平凡!?




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