06.私は夢を持てない
みなさんこんにちは、RINGOやで!
今章も見てくれた読者の皆さん、ありがとうございます^_^
さて、今回の章は、新しい人との友情のことが書かれています。
ちょーっと長いけど、ぜひ最後まで読んでくれたら嬉しいです!
あっという間に自己紹介も最後の方になってきた。
危ない、危ない。
咲也香の自己紹介、聞き逃すところだった。
ちゃんと聞いておこう。
「はい。次は、33番ですね。では、吉村さん、お願いします。」
33番…。
あっ隣の子だ。
さっきからソワソワしてたけど、私と同じで緊張しちゃってるのかな。
もしそうだったら、声かけようかな…。
どうしよう。
急に話しかけて、変な子だと思われないかな?
迷っていると、みんながチラチラと吉村さんのことを見出した。
このままだったら、もっと緊張しちゃって自己紹介どころじゃなくなっちゃう。
(よし!)
私は小声で話し始めた。
「ねぇ、吉村さん。私もさっきすごく緊張しちゃったんだけど、意外とみんな何にも思ってなかったと思う。だから、吉村さんも、人の目なんて気にせずに言ってみたらいいんじゃない?」
「……えっ?」
自分でもこんなこと言えるなんて思ってなかったから、ほんとにびっくりした。
言うだけでも、ちょーーーーーう緊張したけど、私が言ったことが、少しでも吉村さんを元気付けられてたらいいな。
吉村さんは、少しびっくりしてたみたいだけど、やがて微笑んで立ち上がった。
(頑張って!!)
「…私の名前は、吉村 麻子です。夢は、…持ってなくて…、、持っちゃいけないから……。えーっと、、1年間よろしくお願いします。」
パラパラパラパラ…
私はめいいっぱい拍手した…んだけど、あんまり大きな音にはならなかった。
(みんなもっと拍手してよ…。)
だけど、吉村さんの顔は意外にもスッキリとしていた。
「星仲さん、ありがとうございます。おかげでちゃんと言うことができました。…すごくしどろもどろだったけど。」
そんなことを言われるなんて、思ってもなかった。
ちゃんと伝わってくれたんだ。
嬉しいな。
友達になれたらいいな〜。
ちょっと急だし馴れ馴れしすぎるかもしれないけど、思いっきり行ってみようかな!
そう言って口を開こうとした時…、
「あの…。」
吉村さんが話しかけてきた。
「ん?どうしたの?」
「すごく急ですけど、私と友達になってくれませんか…?」
「えっ⁉︎私も今言おうと思った!友達になりたい!」
思わずちょっぴり大きな声が出ちゃった。
「そう言ってもらえて嬉しいです。」
ふふ、喜んでくれて嬉しいな。
しかも、新学期早々友達できちゃった!
…あっ、せっかく友達になったんだし、、ちょっとだけ気になってたこと聞いてもいいかな…?
「あのさ、友達になったばっかりで、聞いていいことかわからないんだけど、聞いてもいい?」
「えっ?」
…やっぱり、迷惑だったかな?
でも、ここまで言っちゃったんだから、最後まで言うしかない!
「夢を持っちゃいけないって、どういうことなの?」
「……。」
吉村さんの表情は固まったままだ。
それをみて、私は後悔した。
(とんでもないことを聞いちゃった…。)
せっかく友達になってくれたのに…。
どうしていいかわからなくなった時、吉村さんが口を開いた。
「あのっ、誰にも言わないって、約束してくれますか?」
私は慌てて「もちろん!!」と言った。
教えてくれるの⁉︎
「じゃあ、星仲さんには教えます。絶対に誰にも言わないでくださいね?」
「うん!!ぜーったい誰にも言わない!!」
すると吉村さんは、安心した表情で話し始めてくれた。
「私の家庭は厳しくて、、、夢なんて持つくらいなら、社会のために尽くしなさい。とか、麻子は吉村家の顔になるんだから、勝手な夢なんて追いかけないで。って言われてるんです。でもこれをみんなに知らせてしまったら、お父様が悪者にされるのではないかと、、、。お父様は、一生懸命私を育ててくださっているのに…。」
そんな…。
それって、どうなんだろう。
夢を持つことなんて、吉村さんの自由じゃないのかな。
それをすぐに言おうとしたけど、口を開きかけて、ハッとした。
もしかしたら、言ったらただ吉村さんの迷惑になるだけかもしれない。
ほんとは吉村さんだってそう思ってるけど、口答えができない立場なのかもしれない。
そんな考えが頭を巡って、私は結局「そっか…。」としか言えなかった。
だけど、もし口答えができない立場なら、なおさら助けたい。
吉村さんのお父さんに何か言うことはできなくても、吉村さんは言いにくいことを話してくれたんだから、何か返してあげなくちゃ。
そう思ったら、やっぱり言っていいかもしれない。
私は、吉村さんが少しでも元気になるように、言葉をかけた。
「でもね、いくらお父さんが一生懸命育ててくれてるとしても、自分が夢を持つか持たないかは、自分で決めていいことだと思うよ。」
…伝わったかな。
少し心配になったけど、吉村さんはすぐにこっちを向いて微笑んでくれたんだ。
「ふふ、ありがとうございます。星仲さんに話して本当に良かったと思います。星仲さんには、人を元気にする力がありますね。本当にすごいです。」
ほんと⁉︎
思ってもみなかった言葉に、私は目を丸くした。
でも、褒めてもらえると、ちょっと照れちゃうな〜。
「私、無理だとわかってるけど、一度、お父さんに話してみようと思います。夢を追いかけたいです、と。」
「うん、頑張って!応援してるよ!」
私たちの距離が、一気に縮まった気がした。
ここまで読んでくれた読者の皆さん、本当にありがとうございました♪
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次章、第5章もお楽しみに! RINGO☆




