愛の反動 -03
煌びやかな広間の中に懐かしいその顔を見つけた瞬間、気がつけば無意識に足が止まっていた。
(いた。)
最後に会った時と変わらないよく動く大きな瞳に、柔からな笑みを浮かべたバレッタは、成長し、令嬢らしい所作が加わったせいか、やけに大人びて見えた。
ただ、所在なさげな幼げな表情と、他の令嬢たちと違い控えめに佇むが妙に視線を集める。
「…かわいいな。」
「おい口から洩れてるぞ、気を付けろ。」
後ろから掛けられた声に驚き振り返る。
顔に王太子としての気品ある笑みを浮かべたアルバートが、ラウドにだけ聞こえる距離で話かける。
「彼女がパーティーにくるのは久しぶりじゃないか?まぁお前も仕事に関係のないものは全くと言って顔を出さないが。」
「どうりで。…会わないつもりではあったけど、どのパーティーでもこれまであうことなかった。」
「それで?数年ぶりに会った感想は?」
アルバートはなおもひそひそとラウドに問う。
周囲も2人が親しい間柄だと知っているからか、距離を置いてくれていることもあり聞かれる心配もない。
「困る。」
「は?」
「…かわいすぎるんだ。あぁ、なんで彼女は一人であんな所に立ってる!?友人とでもいないと変な輩が声をかけに来るだろう!」
「…会えなかった分の反動だな。お前の言うとおりだ、ほら。」
社交界に滅多に顔を出さないのを知っているのか、バレッタの周りには彼女を狙う男たちが集まりはじめていた。
「まあでももう少し人がひいてからのほうがいいかもな。今お前が行くと、他の令嬢達に目を付けられる……っておい!」
アルバートが話すのもそのままに、気が付けば身体が動いていた。
バレッタを取り囲んでいる男たちのうちの一人がバレッタの細腰を引き寄せるのが見えたからだ。




