三人の思惑
この時ほど、無駄な足掻きはやめましょう、て、言葉を思い知らされた事はなかった、飛んでる奴を捕まえるのなんて無理、無理だってえの、浮遊魔法でも使えるなら兎も角さぁ、ギルメンすら助けることが出来ないなんて、私ってなに。
あ、オカッピキだ、イケメンのエルフでスティと違って、もうさ、紳士でギルドの副司令官を任されるほどの人…だって、堅い御役所が似合うんだもん仕方ないじゃん、軽いギルドマスターとは天と地程の差が有るんだよ。
スティゴールドは冒険者らしいお気楽アウトドア派、オカッピキは堅いなりにも気楽さが見え隠れするアウトドア派、微妙な違いだけど、二人が揃うと無敵んぐなんだよ、凄くない……て、思ってんのは私だけじゃんだ。
「レイラレスカ様。
顔が……エロイデスヨ」は? いやいや、まてまて……言っている意味がわかりません。
「ユカさん、真顔なんですけど、そんなの産まれて初めて言われたし」
「そうですよ。
このビッチ女神!」まてまて、何をどうしたらビッチになんのよ、ルルリナさん。
「意味、分かんないんですけど」
「あれ? 自覚ないんですか」さっぱりわからんっての?! ビッチってなんだ、ビッチて! あ、ビッチの意味くらい理解していますよ。
私の行動と言動の何処にビッチ的、要素があるってのよ、説明しなさいよ。
「イケメンエルフを見て鼻の下伸ばしてんじゃないですよ……」
「……」は? 伸びてないし。
「レイラレスカ様。
いくらギルドメンバーが優れているとはいえ、満面の笑みは無いと思いますが」私、そんなに笑ってた?。
「あのさぁ……いきなりビッチだの、言われても困るんですが! それに笑ってないし。
あ、コロラさんが呆れてる」
「ユカさん。
いくら好みのタイプ男性がレイラレスカ様のお知り合いにいるからって、八つ当たりは行けませんよ」え? そうなの?。
「だって……」可愛い……じゃない、モジモジしてさぁ、何しおらしくしてんの、そんな理由で絡まれてたんですか、私って……もうさ、なんなんだろうね、この人達は下界に降りて、遊びたい盛りのお子様なんですか。
「ルルリナ様。
ハシャギたいのは分かりますが、ドが過ぎるのはよくないと存じますよ。
それにレイラレスカ様、反応が良すぎるのですよ、私ですら我慢するのが、大変でございます」て、あんたもかい!。
「ちぇ、詰まんないじゃないですか。
でも、遠見の鏡は触らせませんよ、壊されたら堪ったもんじゃないですからね」え、そんなに簡単に壊れるもんなの?。
「私を放置して話をするんじゃない、一番の被害者は私なんだい、いい加減にて!」
「ほら、その反応が堪らないのです」三人、ハモって返すんじゃない。
私にどうしろってのさぁ、なに見てればいいのか? 見てれば……はぁ、なんだろう、このお子様三人組は……無邪気な子供ですか、なんか頭いたくなってきたよ、ほんと……。