真実へのとびら
兎に角、二人の額に小さな手形があるのを見せれば納得してくれるはず、手鏡でもあれば手っ取り早いんだけど……見当たらないな、どうしよう。
ジリジリ壁際に追いやられてるから早く何とかしないと、マジやばなんだけど……何気に怖い、二人とも超怖過ぎ……。
あ、そうだ、確か此処に来た時に大きな鏡があった筈だ……あれ? ない、確か部屋の入り口、付近の壁に掛けてあったのに、ないんですけど。
あんなに大きな鏡隠せる訳ないんだけどさぁ……あ、もう無理だ。
「あの……ねぇ、二人とも落ち着いて話し合おうよ」もういやだ……この状況、誰でもいいから助けてよ。
「レイラレスカ様、御覚悟は宜しいでしょうか!」ハモって言わなくてもいいと思うのですが。
「……す……すいませんでした。
次から気を付けますので、許してください……」あまりにも怖くて謝ってしまったじゃないのさ。
ルルリナ、なに笑ってんのよ、てか、この状況、誰のせいだと思ってんのさぁ。
「最初から素直に謝って頂ければ、済むのですよ。
ねぇ、ルルリナ様!」コロラさん、私の謝罪は、どこえいったのさぁ。
「そうですよ。
ルルリナ様、笑い過ぎは身の破滅を意味しますので、呉々も言動には御注意を」ちょっと、ちょっと、ユカさん謝ったの私だよ、ねぇ、私なんですけど、なぜ、ルルリナの方を向くの……。
ん? ……あぁ、そうゆう事だったの、わかってんならさぁ……二人して見詰め合ってさぁなんだろうねぇ、固く手を握り合ってるよ。
なに、このしてやったり的な行動は……いいよ、いいですとも、私の謝罪を返せ!。
「なんですか?!。
二人ともいきなり矛先を此方に向けないで下さいよ」ねぇ、ちょっと、お二人さん。
「レイラレスカ様は邪魔なさらいで下さい。
後でご説明しますので」放置&無視って酷くない。
ルルリナが怒られてるのは、ざまぁみろだから良いんだけど。
ルルリナが二人に怒られて間、私は反対側のベッドの端に追いやられていた。
あんな風に言わなくてもさぁ「レイラレスカ様、邪魔のであっちに行っててください」し、しってなによ、私は犬か!コロラさんは無神経なところがちょっとや……。
まぁ、後で説明してくれる事を祈りつつ、神様にもらった本とにらめっこ中の私なのですが、この本のタイトルが巫山戯てる……何が【女神が集める動物達】だ! 動物じゃないでしょ、人でしょ人。
そりゃさぁ神様からしたら私達は生きる生命体でしかないよ、それをさぁ一括りして動物達は無いんじゃないの……いくら区分するのが面倒臭いからって、このタイトルはないは! しかも御丁寧に私の名前入りなんて呆れてものが言えないっての。
表紙捲って最初が私って……ねぇ私ってさぁ女神だよね? 仮にも同族だよね、一緒にするってどうなのさ、ここの神の適当さに呆れるよ! 【あんぽんたん】通り越して【すかぽんたん】だな! この【すかぽんたん】どもめが!。
そう思いながらも本を読み始めた。
読んで理解しないと先に進めないしね……。