開かれた扉
しかし当たらない、全然絣もしないなんてさぁ……ありえなくない。
「よ、ほ、あらよっと、わ! なんてね。
そんなヘナチョコパンチ当たる分けないじゃないですか」絶妙なタイミングで避けるな。
「レイラ! いい加減にしなさい。
もう子供じゃないんだから、そんな些細なことで目くじら立てないの」
「お母さん、だって……」
「だってじゃありません。
そんなことして遊んでないで、皆におにぎり、作りなさい」まだいるの?。
「え? いや、だって……。
テーブルの上に二十個、おにぎりあるじゃんか」
「足りないから言ってるの。
ツベコベいわないで早く作りなさい。
ルルリナは、こっちに来て食べなさい」
「はーい」なんで、お母さんには素直従うのよ。
「作ればいいんでしょ、作れば」なにさ、私への扱い酷くない…。
流台に向かった『ピ……ピピピ』ん? なんの音?! まさか、まさかね、うわ、なんてタイミングで炊き上がるんですか、お母さん知ってて言ったんだ……。
手早くおにぎりを作るて、ユカさんに渡して、私は勇也さんの所に向かった、ちょっと確かめたい事があったからだ。
流しのカウンター席に座っている勇也さんの隣に立った瞬間。
◆◇◆◇◆
『はい、時間よ止まれ』
聞き覚えがあるぞこの声は……にしても、突然出てくるんじゃないよ。
『は~い、レイラさん、レイラレスカさ~ん、聞いてますか?』皆固まって止まっているけど、私だけ動けるのはさぁ、嫌予感しかしませんよ。
「聞こえてますけど、どちら様ですか?」
『神で~ございます』ほら、きたよ、私って神に好かれる体質なのか……。
「で! 今度はナニよ」はぁ、もうさぁ溜め息しか出ないよ、どうせロクな事にさぁならないんだから……。
『そんな、あからさまに嫌そうにしなくてもいいじゃないですか』声しか聞こえないに、側に居る感覚がさぁむっちゃやなんだよ、違和感ありありで気持ち悪いっての。
「え、だって、どうせ……くだらないことでしょ」
『でも、その無関係の作者さんに話聞いたところで進展しませんよ』
「……」それを確かめようとしてたんだってぇの。
『図星だったみたいですね、その黙るはやめた方がいいよ、分かりやすくて助かるけどね』
「悪うございました」考えてる事が読めるのか?。
『……まぁいいでしょう。
この本に書かれている人達を集めてください』
淡い光を帯びた本が空中から現れて、私の手の上で実体化した、いかにも魔導書って感じだけど。
「この人達を集めたら、何か良い事でもあるの?」
『書いて有る人物を全員集める事が出来たら元の世界に帰れるかもしれませんよ』
「本当に帰れるの?」
『取り敢えず、集めてください』怪しいな…。
「分かったはよ、集めればいいんでしょ。
それとさぁ、ルルリナを元に戻してくれない、気持ち悪くて仕方無いんだけど」
『御承諾有り難う御座います。
じゃ三つの世界に散らばりし者達を頑張って集めて下さい。
ルルリナは神の力は無くしたままで、元に戻してあげますよ』
「ちょっと、三つの世界って、聞いてないんだけど」
『あれ? 言いませんでしたっけ』
「言ってない!」
『もう、承認頂いたので却下は出来ません。
それと此処じゃちょっと不便なので最初の場所に戻します。
じゃ宜しくお願いしますね』は?! ちょっとまて、また勝手に決めるんじゃない。
「まって……」もう遅れだった、淡い閃光に一瞬で包まれていった。
ふざけんな、ふざけんじゃない、私をなんだと思ってんのさ……。
光の中で一つ判明したのは、私達は正野勇也さんの書いている小説の人物では無いって事だけか……三つの世界ってなんだろう、ムッチャ不安なんだけど。




