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くまのプーさん  作者: はまゆう


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1/3

序文

もしあなたがクリストファー・ロビンについて書かれた別の本を読んだことがあるなら、彼が昔、一羽の白鳥を飼っていたこと(あるいは、その白鳥のほうがクリストファー・ロビンを飼っていたのかもしれないが、それは私にはわからない)を覚えているかもしれない。そして彼は、その白鳥を「プー」と呼んでいた。


それはもうずいぶん昔のことだ。


別れのとき、私たちはその名前を一緒に持って帰った。もう白鳥にはその名前は必要ないだろうと思ったからである。


さて、エドワード・ベアが「自分だけの、何か胸の躍るような名前が欲しい」と言い出したとき、クリストファー・ロビンは考える間もなく、すぐにこう言った。


「きみはウィニー・ザ・プーだ。」


そして、その名は本当に彼のものになった。


そこで、「プー」という名前については説明したので、今度は「ウィニー」のほうを説明しよう。


ロンドンに長くいれば、一度は動物園へ行かずにすませることはできない。


動物園には、入口(WAY IN)から入り、出口(WAY OUT)まで、檻という檻をできるだけ早足で見て回る人たちがいる。


けれど、本当に素敵な人たちは違う。


自分がいちばん好きな動物のところへ真っすぐ向かい、そこでゆっくり過ごすのである。


だからクリストファー・ロビンが動物園へ行くときは、いつもシロクマのところへ行く。


そして左から三人目の飼育係に何かをそっとささやく。


すると鍵が開けられ、私たちは暗い通路を抜け、急な階段を上り、ようやく特別な檻の前へたどり着く。


檻の扉が開くと、中から茶色くて、ふさふさしたものが小走りに出てくる。


「わあ、くまさん!」


クリストファー・ロビンは嬉しそうに叫び、その腕の中へ飛び込んでいく。


このクマの名前はウィニーという。


だから、「ウィニー」というのはクマには実にぴったりの名前なのだ。


けれど面白いことに、ウィニーがプーにちなんで名づけられたのか、それともプーがウィニーにちなんで名づけられたのか、今では誰も思い出せない。


昔はちゃんと知っていたのだけれど、忘れてしまったのである……。


ここまで書いたところで、ピグレットが顔を上げ、あの甲高い声で言った。


「ぼくは?」


「かわいいピグレット。」


私は言った。


「この本は、まるごときみのお話でもあるんだよ。」


「じゃあ、プーのお話なんだ。」


とピグレットは小さな声で言った。


わかるだろう。


ピグレットは、プーだけが盛大な紹介をしてもらっていると思って、少しやきもちを焼いているのである。


もちろん、プーはみんなのお気に入りだ。


それは否定できない。


けれど、ピグレットにはプーにはない役どころがたくさんある。


プーを学校へ連れていけば、誰だってすぐに気づいてしまう。


でもピグレットはとても小さいので、ポケットの中へすっと入ってしまう。


七二十四だったか、それとも二十二だったか、自信がなくなったときでも、ポケットの中のピグレットに触れると、なんだか安心できるのである。


ときにはピグレットはポケットから抜け出して、インク壺の中をじっくりのぞき込むことさえある。


そんなわけで、教育という点では、プーよりずっと多くの経験を積んでいる。


けれどプーはそんなことは気にしない。


「頭のある者もいれば、ない者もいる。」


彼はそう言う。


ただ、それだけのことなのである。


さて今度は、ほかのみんなが口をそろえて言い始めた。


「ぼくたちは?」


だから、そろそろ序文を書くのはやめて、本当のお話を始めることにしよう。


A・A・ミルン

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