おっさん×幼女7:狙ってたからうれしい
「××さん、いいのー?かわいいよ?ごはんあげないの?」
「うん、いい」
飼育小屋は汚いし臭い、ウサギとニワトリがいて他の学年の生徒も一緒に掃除していた。
飼育係のクラスメイトは切った人参をウサギに食べさせている姿を嬉しそうに眺め、あげないのかと聞かれ首を振る。
早く出たい帰りたい、それしかない。
黙々と言われるがまま片づけし、さっさと帰る為に掃除に励んだ…。
チャレーは相当疲れている、バンクは見張りも食事を用意するのも御者をするのも構わない、必要以上に話しかけて来ないのも良い。
だが、謝ってばかりだからそれは止めて欲しい位だ。
ゴトゴト……馬車を走らせて2日、バンクは待っている、向こうが来るのを、この馬車は絶好の得物だろう。
「………………来た」
気配を感じバンクは不敵な笑みを浮かべる、馬車の速度はそのままに気配を追いまだ気づかない振りをするる、もう少しもう少し……そこでバンクはチャレーを起こ…さない、叫ばれると面倒だしと手綱を操作しまだ気づいていない振りをする。
バンクは目を先に向ける、少し先には武器を持った薄汚い男達が待ち構えていた。
「5人か、結構大きな盗賊団かも」
背後にも馬車を狙っている気配を感じ、馬車1台に掛ける労力を考えると規模の大きな盗賊なのかもしれない、ギルドで情報を集めても良かったが、バンクは数に押されて敗北するつもりは無かった。
「男たちの少し前にあれは罠か、あれで足止めして襲うつもりか……だったら」
バンクは男たちの手前に張られた縄、単純だが足止めは出来るだろう、バンクは懐から小石を出し馬車を操りながら指弾で縄を切り待ち構えていた男達の眉間も小石で打ち抜く。
前で待ち構えていた盗賊達は絶命し、バンクは馬車を停めて他の盗賊達を待ち構える。
木の陰に隠れ様子を伺い、バンクがいる反対側から矢が放たれるがそれを指弾で弾く、その内矢が尽きるだろう、1人は生かしておきたい、バンクは生かす方が手間が掛かるなと思いながらそれとこの状態でよくチャレーは寝ていると呆れつつ、様子を伺っていた盗賊達が出て来るので剣を抜く。
「たかが冒険者1人、行くぞ」
「お、おう」
「おらあ」
「いかにもって感じ」
バンクは新しく買った剣の試しには良いかと、襲い来る盗賊たちを迎え撃った。
「は、はぁはあ、ここに《絶断》の戦斧があるって聞いて来た!俺に売ってくれ!」
「……もう売ったぞ」
「は、誰に!」
「詳しくは言えんが冒険者や傭兵じゃねぇな」
「んだよ」
バンクが戦斧を売った道具屋、バンクと会ってすぐに向かった冒険者の若いリーダーが息を切らし店に飛び込んでくるが店主は横目でちらりと見て返す。
くそと髪をかき上げていると他のパーティメンバーもぜーぜーと息を切らしてやってくる、文句を言いつつもう売れてしまったと言えばブーイングが飛んでくるのをうるさそうに聞いている。
「幾らで売ったんだよ」
「さてね、儲けさせては貰ったからな。あいつもいい歳だしな」
「いい歳っておっさんとは言っちまうがまだ30半ば位だろ?」
「あいつは40過ぎとる」
「マジかよ」
「あの人そうなの?若く見えるわ」
店主がいい歳だと年齢を言うとリーダーや他のメンバーは目をぱちくりさせている、店主は肩を竦めている、そうしていると他の客、バンクを追い出したパーティが入って来て狭い店は増々狭い。
「かうんじゃないなら出てってくれ」
「ちっ、依頼でも受けるか」
「ダンジョンがあるから行こう」
「いいわね」
店主は買わないなら出て行ってくれと言い、入れ替わりで去っていった。
「くそ、武器の消耗が激しい」
「これじゃ金がいくらあってもたりないわよ」
「またダンジョンに潜ろう、バンクがいたら便利だったけど」
《熱杭》のメンバーが口々に最近上手くいってないと愚痴をこぼす、ダンジョンでの武器の消耗が激しいとぼやく。
運び屋を雇う金も厳しい、宿のランクも下げる他ないとぼやく、店主はそれを流し聞きしながらこのパーティは終わりだなと内心で思いながら眺めた。
「お前達のアジトを教えてくれ」
「ぐ、っく」
「命は助ける」
「かはっ、ここから先の山の手前の洞窟………」
「馬車と馬で通れる道は?」
「ここから先の大木の………裏に……」
「そうか……盗賊のくせに人の話しを信じないほうがいい」
「があっ!」
盗賊を1人残し後は全員討ち取る、武器は盗んだり強奪した物だろう、1人だけ辛うじて生かしアジトを聞き出した後命を狩り取った。
「道を隠していたから人数とか規模が分からなかったのか、知恵が回る。頭の頭が切れるのかも」
バンクは死体をそのままにする、ギルドへ報告すれば片付けてくれるだろう、報奨金も出るだろう。
盗賊団の頭が賞金首なら尚貰える物は大きい、しかも1人で壊滅させれば総取りでバンクはちょっと浮かれている、良い生活にはやっぱり金が必要だからだ。
アジトへと向かう為御者台に乗り込む、チャレーはまだ寝ているのかと呆れ……つつアジトへ向かった…。




