第50話 エピローグ
「おはよ〜!!」
「おはよう。」
「今日は午後から雨らしいよ!!」
「うわ、まじか……。」
「コーヒー飲む??」
「じゃあ飲もうかな。」
「朝ごはん……ってミユ、時間やばくないか??」
「え……嘘!?アラーム間違えた!!」
「ミユってたしか講義、早かったよな。講義遅れるぞ!!」
「あーゆっくりしたかったのにー!!」
神速のごとく、準備するミユ。
「パソコン持った?あと、軽食と折りたたみ傘。」
「えっと……持った!!コーヒー入れられなくてごめんね!!行ってきます!!」
ミユって忘れ物多いから、朝に確認するのが日課だ。
同棲してもう三年が経つ。
事故のあとから目覚めて、無事退院できた。
その頃は話題性も大きかったらしく、記者の人とかに囲まれるのはとても辛かった。
けれど、クラスのみんなも心配してくれてとても嬉しかった。
進路は結局二人で楼蘭羌大学へ行くことができた。
ミユは大学に行くために、お金を貯めていたけどなくなった事、家庭環境が劣悪なことを正直に話してくれた。
その事を父に相談したら、同棲でラブラブしたら〜と冗談半分で言われたが、その部屋を借りる初期費用と家賃は親父が払ってくれた。
ほんと、親父には感謝でしかない。
そして、ミユは勉強してたこともあって、楼蘭羌大学の特待生として入学した。
だから、入学金や授業料も無償化になったのでそれ以降、金銭問題は無事に解決した。
あの不思議な神社にはたくさん救われたと今でもとても思う。
もう一回、お参りしようとハイキングついでにミユとあの場所まで行ってみたが、洞窟など無く、もはや岩に穴すら空いていなかった。
後刻神社はもうこの世にはなくなっていた。
文献を調べてもやっぱりそんな神社なんてなかった。
偶然が重なってたどり着いたこの神社の経験を僕は大切にしていこうと思った。
そのおかげで変われたんだから。
「あ、ミユかられんらく……また忘れ物?」
あんだけ言ったのに。
まぁいいや、僕もそろそろ家を出るか。
これから何があるかは分からない、悲しいことも苦しいことも、後悔してしまうようなこともあるかもしれない。
それでも、僕はそんな感情たち受け入れて……少しずつでも前へ進んでいこうと思う。
ミユと一緒に歩んでいこうと思う。
「それじゃ、行ってくるよ。」
希望を捨てなければ、まだ選べる未来があるんだから。




