第二十六話 再審請求、通る
今回から毎週金曜日投稿です。
完結まであと14週。
頑張ります。
今回は僕の語り部から始まって、ラヴィオ視点からお送りします。
ルフィアが灌漑設備を整えているのと同時期に。
フェミータ王国のラヴィオは、というと。
ルフィアに対しての再審請求を通しに司法省を訪れていた。
私は司法省の新長官・「ウィリー・モーガン」に再審請求を用意できるだけの資料と請願書を持ってやってきた。
「……というわけで、ルフィア・ヴィスパーダの再審請求を通しに来たのだが……」
「なるほど……そちらの資料が……あの一連の事件をラヴィオ王子が纏められた、ということでございますね?」
「ああ。これを元に判断してくれないか?」
「承知致しました。では、拝見させていただきまする。」
ウィリーは数百ページに私たちが纏めた資料をペラペラと、一言一句じっくりと目を通していく。
まあ……長くなるのは承知の上だが。
ウィリーはふと、私の方を見た。
「……どうした?」
「ラヴィオ様、畏れながら申し上げますが……貴方様には御予定があるのでは?? この場で合否を訊かれるよりも……そちらを優先しては如何かと。数時間は掛かるのは明白ですぞ?」
「……そうだな、そちらを優先しなければ、と思っていたところだ。ありがとう、モーガン長官。合否は……書状で、ということか?」
「無論でございます。」
「……すまないな、あとは頼む。」
私は司法省を後にし、溜まっている仕事を片付けることにしたのだった。
仕事場のドアのノックが鳴る。
「入れ。」
近衛兵長だった。
どうやら今回の事を聞くつもりだろう。
「ルフィア・ヴィスパーダとの接触を図れました。どうやら私たちの作戦を呑んでくれる……とのことです。」
「そうか……すまないな、本来なら私がやるべき所を……助かった。」
「有り難きお言葉。して、ラヴィオ様の方は……」
「再審請求を申請したのはいいが……長すぎるが故に後日書面で、という事だそうだ。だから今こうして片付けているのだ、仕事をな。」
「そのようでございますか……」
「それと今回は……私が弁護人で証言台に立つことにした。幾ら世論が……ルフィアに対しての風当たりが強い中で王族だけが彼女のことを信じた……それだけでも演出としては面白いのではないか?」
「ハッハッハッ……そうですな、その通りでございますな。」
「今回はルフィをなんとしても無罪にさせてやらなければいけないからな。こっちに有利になるような人選を父上や兄上が整えてくれている。油断はしていないが、真実だけは話すつもりさ。」
私は仕事を手っ取り早く終わらせ、再審請求が通るかどうかを待つことにしたのだった。
1週間が経過した。
再審請求は無事通った。
再審の日付は「8月3日」。
エリンの陣営での逮捕者が続出したため、唯一空いていたこの日にシフトした、とのことらしいが、ルフィの事情と照らし合わせないといけない。
今はまだ4月の半ば。
3ヶ月近くも準備期間はある。
それまでには手引きもしなければ、という事を考えるとまた途方もない労力を要する。
私の戦いはこれからだった。
私はルフィに密命を送るため、深夜、誰もが寝静まっているであろう時間に王宮を抜け出してクレイスター村へと向かっていった。
ルフィの自宅のポストに入れて、帰還していったのであった。
章が終わるまであと三話。
ここからは王国側は命懸けの戦いなのですが、ルフィアはどうなのか、という所ですよね。
次回はそういう部分を書ければいいかな、と思います。




