「影武者!」
――これは!――
なんと目の前に秀吉時代の大阪城がそびえているではないか。
再び転生だ、おれは一瞬で全てを思い出した。
「トキ、これは一体どう言う事だ?」
「殿にはもう一度転生してもらったの」
周囲の景色はおれが去った時と、ほとんど変わっていないように見える。
「あなたの力が必要なのよ」
「だけど、元の世界に戻って、全ては無かったことに――」
「それは殿の記憶だけの話なの」
おれの思考が一瞬止まった。
「はっ?」
「前回は私の言い方が少しまずかったようね」
なんと活躍した戦国時代の話が全て消えるのは、おれの記憶だけの事であって、そこで生きていた人々の生活はそのまま続いていると言うのだ。
「じゃあ幸村との出会いも、江戸城の攻防もみなそのままで、おれが記憶を失っていただけという訳だ」
「そうなの」
「――!」
全く勘違いをしていた。おれがしでかした殺人兵器の開発も全てが消えると……
ところがそれは全て頭の中だけの話だった。
という事は、まずい、イギリスの世界制覇は現実になるではないか。
「殿」
「ん?」
振り返るとそこ居たのは、
「幸村」
「殿、お久しぶりで御座います」
「久しぶりと言うと――」
「殿が去られてもう二年が経ちました」
そんなに経っていたのか。だが次にすぐ思い浮かんだ疑問が、では一体誰に転生したんだ?
幸村はおれを殿と呼んだ。やはり秀矩なのか?
それに佐助はどうしているのか気になった。
「殿は影武者に乗り移られました」
「影武者!」




