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黒き太陽~story devoted to you~  作者: 鷹
志操堅固
172/371

~willingness~

アンジェリカは毎日、其処にいた。


彼女の手の中にはくしゃくしゃになってしまったメモが在る。


━━お腹空いたな…。


夜空には無数の星が瞬いていた。




何も無い路地でただぼんやりと立っているアンジェリカに、近付いて来る人影があった。


帽子を目深に被っている所為で顔までは見えないが、服装からしてどうやら若い男の様だ。


どうせまた街頭の娼婦に間違われたのだろうと思い、男に向かって口を開いた。


「私、そういう事してるんじゃないの。人を待ってるだけよ。」


「うん、知ってる。」


何処か聞き覚えのある声に、彼女は目を見張った。




「ぎゃーっ!!」


相手がリュユージュと分かると否や、アンジェリカは悲鳴を上げた。彼は溜息を吐きながら帽子を取り、顔を見せる。


「ぎゃあって何だよ、僕は化け物か?」


「化け物に出会う方がまだいいわ!」


「悪かったな。」


「そんな事より、ギルバートはどこにいるのよ!」


アンジェリカはリュユージュが『47st.』とだけ記したメモを取り出して捲し立てるが、彼は言葉を発せず見据えているだけだった。


「な、何よ。どこか聞いてるのよ、睨んでないで答えなさいよ!」


彼はただ、無言で立ち尽くす事しか出来ずに居た。


「ね、ねえ。ちょっと…、何とか言いなさいよ!」


様子のおかしいリュユージュにアンジェリカは焦燥を感じ、一歩踏み出して詰め寄った。


「ねえ!」


彼女の不安と悲愴を極めた表情からリュユージュは目を逸らし、静かに告げた。
















「ギルは…戻らない。」
















アンジェリカは唇を強く噛み、拳を握り締めた。そして暫くするとその現実を受け止めた。


「それは、ギルバートの意志なの?」


「いや、違う。ギルは…、」


リュユージュは顔を上げ、アンジェリカに向き直る。


「だったら何も問題ないわ。私は彼が戻るまで、ずっと待ち続ける。この47番街でね。それだけよ。」


彼女の眼光は、未だ失われてはいなかった。

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