第37話 海賊退治後
<ギースの冒険者ギルド>
海賊を退治し、ギルドに海賊達を連れていったところ、ギルド長が腰を抜かしてしまった。過去十年以上、足取りもつかめず、報奨金だけが吊り上がる状態だったが、いきなり解決してしまったからだ。
「ひゃ、百人以上……全員……生け捕り……」
「ボスはこの男です」
「……確かに、この男です」
ギルド長はしばらくじっと考えてから
「今回の件は地域災害級Aランクの案件で、国家的にも注目されております。私の一存では荷が重いので、王都のギルドマスターに判断を委ねてもよろしいでしょうか?」
「いいですよ」
「ありがとうございます」
「それと、領地内の牢屋では収容がいっぱいですので、海賊達は王都へ引き渡します」
「それは助かります」
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<島の港>
「こんな港ができてたんですね……」
「ああ、これからはこの島の船乗りとして活躍してほしい」
「頑張ります!」
海賊討伐で船を五隻入手し、さらに船の操縦手を十人獲得した。彼らには当面、漁業をしてもらうが、将来的は海運もお願いしようと思う。早期にギースの港町と定期船を実現させたいよな。島に船が来て可能性がグンと広がった。
<ギースの港町・子爵邸>
「ミア、書類の方はどうかな?」
「いろいろ不備はありましたけど、港湾関係で潤っていて財政状況は大丈夫です」
「怪しい部分はあったかな?」
「前任の領主は不自然な支出が多いですね。しかも特定の相手……」
「その相手は?」
「この人物です」
「ああ、これなら牢屋に入れたよ」
「……さすが仕事が早いですね」
「いや、君ほどじゃないよ」
この後、ミアと話し合い、正式に子爵領の代官に任命することとした。但し、島の健康回復担当も兼任してもらう。自分、テネシア、イレーネも転移で複数拠点の活動をこなしているので、ミアにも慣れてもらおう。日に一回か二回は転移で行き来してるので、支障はないだろう。
最近はミアも要領がつかめたのか、代官の控え部屋に薬草類を持ち込んで、手が空いた時間に、回復薬の研究をしている。回復薬の効果も益々向上するだろう。この人材を放逐した国は本当に勿体ないことをしたと思う。
<ギースの港町・商店街>
「あの方が領主様よ」
「護衛も強そう」
「海賊を全滅させたらしいよ」
「領主様、お疲れ様です」
「うちの店に寄って下さい」
商店街をテネシア、イレーネと一緒に三人で巡回すると声がかかるようになった。町の無法者と海賊を捕まえた話が広く拡散してるようだ。実際、町の治安は改善されており、絡まれることもなくなった。
<ギースの港町・衛兵所>
「領主様、お疲れ様です」
「ちゃんと巡回してるか?」
「はい! 毎日、きちんと巡回しております」
「表通りだけでなく、裏路地も頼むよ」
「了解しました!」
衛兵所の所長に発破をかける。牢屋も増設したようだ。
「囚人の数が多くて大変です」
「……こちらで囚人の処遇について考えよう」
「よろしくお願いします」
囚人たちをどうするか……やはり、どこかで隔離だな。山の館にするかな。う~ん、もう少し考えよう。
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<ギースの港町・商会支店>
「会長、お待ちしておりました」
「マーク店長、何か、あったのか?」
「実はメラル本部長から……」
話によると、海賊を拿捕し、王都に引き渡した件で、王城とギルドマスターから呼び出しがある模様とのことだ。いったいどうなることやら。
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