最終話:これまでとこれから、そして今。
思えば充実した日々であった。
常に懸命に、自分の出来る事を探し。
パフォーマンスを崩さぬように時には休んで、遊びもした。
困惑する事も、動揺する事も多くあった。
投げ出したくなる時もあり、手放したくない事も出来た。
……始まりはアイツが仕組んだ事だとしても、俺がやってしまった事を考えれば、こんなに充実した時間を過ごして許されるのかと思うほど、充分すぎる見返りと言える領主としての日々であった。
善良すぎて放っておけない友人も、ボランティアで医療するという精神は好きでも行動が好きじゃ無かった友人も、爛れた生活で相容れないと思っていた友人も、怪しいだけで気が合う友人も、未来に生きている古代文明の友人も、皆、今では一人ひとりが本当に大切な友人だ。
そんな大切な友人達が、そして領民達が生き生きとした生活を送れる。その手助けになれる仕事が出来るのなら、こんなに充実した日々は存在しないだろう。
領主という立場が俺に最良の立場だという訳ではない。
シキの領主が、俺にとって最高の立場であったという事だ。
波乱に満ちた日々だった。
結婚もせず、女性と付き合った経験も無いくせに子持ちになった。今まで避けてきた貴族としての資料を隅から隅まで学習し、あらゆる契約を結んで決して破棄されないようにして、正式に息子として迎え入れた。
姉のような存在のために少々大きな犯罪組織を潰そうとした。正直言えば、あの時第二王女が居なければシキの皆や家族にもっと大きな迷惑をかけていただろう。後でそう反省し、これからは穏便に行こうと思うほどの向こう見ずな行動だった。
神父様とは殴りあったし、修道女とは未だに殴り合うほど戦い合ったし、鍛冶職人には息子のためにも話し合ったり素材を数日で一年分集めたりもした(その後ぶっ倒れてちょっとトラブルもあった)。
……俺はよく、自分に正直な領民達に苦労をさせられると愚痴ったり、周囲に励まされたりもする。
けれど俺は割と大きなトラブルを持ち込んでいるし、首を突っ込んでいる。第二王子のせいでやらなくても良いが放置すると面倒になる仕事も多くきてたし、俺の知らない所でトラブルの原因を作られていたかもしれない。そしてそのたびに周囲の力を借りている。
俺の波乱に満ちた日々は実質俺が原因であり、好き好んでその身を置いていると言って良い。シキの皆にはその迷惑を被って貰っている所がある。
俺が居なくなればその迷惑も無くなるし、シキも波乱に満ちた日々はなくなるのかもしれないが……
「クロ様、おめでとうございます!」
「領主様、こちらをどうぞ! この日のために育て上げた野菜を素材として!」
「私が料理し盛りつけました! 日頃からお世話になっている領主さんへのお礼の品です!」
「ふふ、そしてその一瞬をこのお金を溜めて借りたカメラで写真に収めますよ! なんてったって私達のクロさんが結婚、記念すべき日ですからね! 奮発しました!」
……この結婚式は、とても幸せな時間であった。
これが人生最高の時間にする気はない。しかし、将来楽しかった思い出を振り返る時に必ず思い浮かべるであろう時間だった。
この場に居る皆が祝福してくれて、この日のために準備をしてくれた。
俺が祝福に値する人間だと疑わないように喜んでくれた。
これからも俺は迷惑をかけるだろう。逆に苦労もするだろう。
だが、それを互いに良しとし、少しでも彼、彼女らが笑顔に満ちた日々を過ごしてくれると言うのならば、俺はこれからも頑張って生きたいと願う。
「良いかクロ、いつ如何なる怪我も包み隠さず言え! 特に目、目の怪我は大事に至るから絶対だ。絶対だぞ! お前の目の治療は興奮して楽しいだろうから、例え五つ隣の国に居ようが駆け付けるからな!」
「ククク……次はこちらをあげよう。亜空間で実質数百年の時を得たのと同じ熟成肉……を、黒魔術で■■■に■■■■した黒魔術の秘伝料理……! 見た目は脈打つ肉だが、間違いなく美味しいよ……!」
「ハッハー! クロ、もしかしたら俺が身を固める日が来た時はそのスーツを頼むんだぜ! 身を固める時は俺の愛を受け止め、向こうの愛も同時に受け止められる数十名規模の結婚式になるからよろしくなんだぜハッハー!!! という訳で俺は一時的に見つけた愛と抜けさせてもらうぜ!」
「ウグ、ウグググググググ! トゥ、ティ、ヤゥ! ……フゥ、こちら保管していたワタシのトッテオキである美しき手彫り人形デス……! エ、何処からこのヒト型のサイズを出したか? 古代技術の古代技術な古代技術の方法デス。ワタシもよく分かっていません。多分人体にも環境にも影響アリマセンヨ。恐らく」
……ただそれはそれとして、愚痴は言いたくなるのは仕様が無いと思いたい。
持ちつ持たれつ、相互が相互を支える関係。
俺達の関係性は色々な言い方があるかもしれないが、この状況は悪く思う事はない。ただそれだけ分かれば十分だ。それだけで俺は今後もこのシキという大切な地を治められる。
「父上、父上! 見てくださいこの珈琲を! 私めが淹れ、そしてアプリコット様が魔法でデコレーションを施した渾身の一杯です!」
「フフフ、我とグレイの、まさに【闇と炎を得し水との狂想曲】! クロさんが食べた料理に合う至高の一杯となろう!」
「はい! まさに私めとアプリコット様の共同作業の一杯です!」
「その言い方はやめるのであるグレイ!」
「そうですね、では私めとアプリコット様のラブラブカップル珈琲です!!」
「ま、間違ってはおらぬが!!」
そしてシキを治め続け、二人が帰って来る場所を守り続けよう。
学園での三年間の後、グレイが成人した後二人はどうするかは聞いてはいない。
余程な悪いと思う事をしようとすれば止めるし相談にも乗るが、基本は二人の自由にして良いと思っている。
シキを継ぎたいから俺達と一緒に過ごしたいと言うのなら嬉しい。二人が学園に入学する前のように過ごしつつも、少しずつ一緒に仕事をやれればそれは素晴らしい生活と言えるだろう。
冒険者として世界を見たいと言うのなら寂しくはあるが喜んで見送る。なにせ二人共魔法が優れている。アプリコットの方が体力面がやや不安だが、学園生活で体力を養えば、二人揃って世界に名を轟かせる冒険者となってもおかしくない。その時は偶に帰る憩いの故郷を俺達は治め続ける。
二人共優秀であるから、要職に就く事もあるだろう。
二人共美形であるから、演劇で俳優になるなんて未来もあるかもしれない。その場合はグッズを揃えないとな!
「ありがとうグレイ、アプリコット。二人に祝福されて本当に俺は幸せな父親だ」
ともかく、シキに関わる仕事をするか、関与しない人生を歩むかどうかは二人次第だ。二人が夢を語るなら、背中を押し、悩むのなら道を示し、意見が合わず分かたれるのなら互いの及第点を探り、歩みを止めさせないのが親の役目だ。
将来が実に楽しみである。
「孫の顔を見れるのはいつになるのかな……」
「クロさん!?」
「おっとすまない心の声が。大丈夫、将来どうなるかは分からないが、俺とヴァイオレットさんの子が成人してそのまた子供が成人するくらいまでは待てるから、二人の歩むスピードで良いぞ!」
「そういう事ではなく……! というかそれであると、僕達よりそちらの方が孫が早いのではないか!?」
「おお、確かに!」
「くっ、ワザとか天然か分からぬ塩梅を突きおって……!」
「ご安心なさってください父上、そう遠くない未来に要望は叶うかと!」
「こっちは天然であるな! 意味を分かって言っておるのであろうなグレイ!」
「もちろんです。私めとアプリコット様のお子……父上と母上にお顔を見せるのが楽しみですね!」
「っ、ええい、結果だけで過程を真に理解しておらぬな……!!」
……本当に幸せで、二人の将来が楽しみだ。
「おーい、クロー、そっちはイオちゃんと一緒に――って、なにニヤニヤしてんの?」
「なにか良い事でもあったのか?」
「んー、まぁ強いて言うなら息子夫婦は仲が良いって再確認した感じだよ。親としては二人の関係が不安な訳なんだよ」
「あー、なるほど。まぁ大丈夫でしょあの二人なら。喧嘩をしたとしても、両親に似そう」
「? どういう意味だ、シアン」
「スノー君、この二人が喧嘩をするとしたらどんな時だと思います?」
「どっちの方が相手の事が好きかという感じのイチャイチャの延長線?」
「そんな感じで、喧嘩をしても結局は仲の良い証明になりそうって感じです」
「喧嘩する程仲が良い、的な感じか。……シアン」
「だからといって俺達も敢えて喧嘩すると言うのは無しですよ? ワザとするもんじゃ無いです」
「おお、シアンが俺の心を読んでくれた! まさか誓いの言葉効果か!?」
「さっきからテンション変な方に振り切ってませんかスノー君!?」
「好きな子と結婚出来てテンションが上がらずにいられるか!!」
「それはそうですけど!」
しかし、この二人と一緒に結婚式を開く事があるとは思えなかった。
いつかは二人の結婚を見届けるつもりではあった。いつになるかは分からずとも、シアンが積極的に行けばスノーは受け止めるであろうと思っていた。
互いの性格上、一悶着は間違いなくあっただろうがシアンは強く、スノーは頼れる存在だ。この二人はいずれ結ばれる事自体には疑いが無かった。
思えば俺は二人を見て恋愛に憧れていたかもしれない。
前世でも恋愛は間近で見た事はある。しかし過程となると俺の知らない所で進展し、気が付けば結婚をしていた、なんて事が主だ。というかそれが普通だ。
今世ではバフとマルーン。タンとテラコッタのような間近で結ばれた恋愛も見た。
けれどこの二人の恋愛はなんというか、一番身近に感じた恋愛のように思えるから、何処かで憧れていたのかもしれない。
シアンとは取り繕った言葉遣いをせず、気に入らない相手から気になってしまう相手に変異する葛藤を相談され。
スノーには恋愛的な意味ではない仲良くなる方法を相談され、シアンの好意の行動に全く気付かれていない事に呆れ、だが家族のように思われている様子を見て来た。
俺は二人が結ばれるのを心から望んでいた。
前世でも今世でも恋愛感情が無い両親の下で育った俺にとって、恋愛で結ばれる存在が身近にいると言うのは心が救われていた。
そんな救ってくれた存在と、今日、一緒に結婚式を挙げた。
俺は本当に、幸せだと言えよう。
「結婚おめでとう、神父様、シアン」
「どうしたの急に」
「いや、今日は色んな人に言われはしたが、互いが互いを言葉で祝ってはいなかったなと思ってな。ふと言いたくなったんだ」
「ふーん? まぁ確かにそうかもね」
「じゃあ俺達も改めて、結婚おめ――」
「だけど私達は言わない!」
「ええっ!? な、なんでだシアン?」
「言うとしたら二人が揃っている時が良いと思いまして。その方が二人に向けた、という感じがするでしょう?」
「な、なるほど。じゃあ、えっと……ありがとうクロ。今日結婚出来たのもクロが居てくれたお陰だ。本当にありがとう」
「私もありがとう、クロ。クロが居なくちゃこんな立派なドレスも着れなかっただろうし、祝福も無かったと思う」
「そう言って貰えると嬉しいよ」
「ほら、じゃあさっさと私達からお祝いの言葉を受けるために、愛しの妻を呼んで来ると良いよ」
「ははっ、なんだそりゃ」
俺は笑うと、一旦その場を離れた。離れるとタイミングを見計らっていたように他の人が二人を祝うために囲み始めた。
あの様子からして戻るのはもう少し後でも良さそうだ。そう思いつつ、先程まで元婚約者の殿下と話していた、愛しの妻の所へと向かう。
「クロ殿」
俺が近付き、存在に気付くと俺の名を呼ぶ。
丁度殿下と話し終えたであろうヴァイオレットさんは、ドレス姿のまま俺へと近づいてきた。
――思えば、彼女が来てから変わったな。
正確には彼女も、か。
自覚はあまり無い。
俺の場合、当たり前の事を当たり前にしている、という点は変わりない。その時その時で自分に出来る事を最大限こなしているだけではある。だからそこまで変わったという自覚……いや、変わったと言われれば肯定はするが、変わり方が俺にとってあまりに自然すぎたのだ。ヴァイオレットさんの事を好いているのは大事であり、当たり前で、おかしくない事である。それほどまで俺にとって自分らしく生きる事に彼女の事が含まれているのだ。
だから、変わったけれども変わっていない。好きな相手が出来て、生活習慣に自分とグレイだけではなく妻が含まれるのが当然のようになり、日常に“ヴァイオレットさんが喜んで貰えるかどうか”が自然と思い浮かぶようになった。
これは俺にとってどうしようもない、変わっただけの当たり前の事に過ぎないのだから。
「私になにか用か?」
「ええ、スノーとシアンが改めて互いを祝いたいという事で。一緒に来て互いに祝われようと言う感じです」
「ふふ、なんだそれは。だが楽しそうだな。行くとするか」
「俺が呼びに行った後に領民達に囲まれていたんでゆっくり行きましょう」
「良いのか?」
「ええ、構わないでしょう。それに、周囲も式の宴会に夢中で俺達に気が回っていません。二人きりでゆっくり回れる良い時間だと思えませんか?」
「確かにな。周囲にヒトが居るのに二人きり。楽しそうだ」
「楽しいでしょうね。ですがずっと待たせる訳にも行きませんから、向かいはしましょう」
「ゆっくりと、な」
「はい」
互いに小さく笑った後、俺は手を差し出す。
ヴァイオレットさんは一瞬きょとんとしたが、すぐに理由が分かると俺のエスコートをしようとする手を取ってくれる。そしてゆっくりと、先程のバージンロードでは出来なかった二人並んで、手を繋ぎながらゆっくりと歩いて行く。
「ところでクロ殿、嬉しそうだがなにかグレイの事で良い事でもあったか?」
「シアンですら対象が分からなかったのに、そこまで分かるのですね」
「愛する夫と息子の事だからな。妻として当然の――いや、クロ殿の妻として、グレイの母として当然の事と自慢させて貰おう」
「はは、なんですそれ。実は先程こんな事がありましてね」
俺達は歩きながら先程あったグレイとアプリコットの事を話すと、ヴァイオレットさんは自分も見たかったと笑顔になる。どうやら見れなかったと言う思いは確かにあるが、俺がその様子を見て楽しそうにしている姿を見るのも楽しんでいるように見える。
照れはするが、それで笑顔になってくれるのならこれで良いと思う。これが俺達にとって当たり前だ。
そう、これが当たり前だ。
いつか外すつもりであった、ヴァイオレットさんに対する敬語は結局外れないままであった。タイミングを見失ったというのもあるし、いつか自然と取れる事もあるだろう。けれど出会った時、最初の互いが探り探りの自分らしい夫婦としての接し方をしていたらこうなった。今もなお互いに知らない部分を知ろうとしている俺達にとっては現在進行形で探り探りだ。これも誰に言われるのでもなくこの形になった。
ただ、ある時、ごく短い場面においては違う話し合い方になる。俺は敬語が外れ呼び捨てになり、反対にヴァイオレットさんは敬語になり呼び捨てになる。別に示し合わせた訳でも、普段が偽っている訳でもない。ただその時になると、それが相応しい、俺達にとって自然で当たり前の事になる。ただそれだけだ。
今はあまりしないが料理をする時は互いが好みを探り合うように、同じ料理でも味付けを毎回変えていた。
ヴァイオレットさんが体調不良の時は当番を交代し、代わりに後日別の事を頼む事で相殺とし、同じようにヴァイオレットさんも交代する時は別の事を頼んで気にする事でも無いとアピールするようになった。
……領民達、特に友人にはよく揶揄われていた夫婦であればするであろう事をしなかったのも俺達にとっては自然の事であったというだけだ。最初は明確に拒否したが、しばらく経ってからも一歩踏み出せなかったのは、単にそういう雰囲気にならなかっただけだ。それが俺達の進むスピードであった、というだけである。……ただ、ある時を境に友人達から揶揄われなくなったのは、今思い返すとバレていたんだと思う。思い返さないと分からないのは、当時の俺達も一杯いっぱいだったのだろう。
「ところでヴァイオレットさん、ドレスで不備はありませんか?」
「問題無い。……が、あったと言ったら直すのか」
「超特急かつ最善になる様に直しますよ。なにせ最高の花嫁が着るドレスですからね!」
「つまり脱がせるのか。ならば不備があると言った方が良かったかな、衆人環視の前で脱がせようとする旦那様?」
「え、いや、そういう訳では――とは言いませんよ。慌てる俺を楽しもうとしましたね!」
「バレたか。慌てるクロ殿を見るためにはもう少し攻めねばならないようだ。いきなり脱ぐとかな」
「分かっていても慌てそうなのでやめてください」
「だが、脱げば慌てて、人目を避けさせるためにお姫様抱っこで移動してくれそうだから試す価値はあるとは思わないか?」
「するでしょうが、そんな事せずともお姫様抱っこならすぐにでもしますから! やめてください!」
「ふふ、冗談だ」
自然、当たり前、その時の最善を模索し実行す。
色んな事が絡み合い、しかし綺麗に収まったのが俺達の今の関係性だ。
未来は分からないが、これからもこのままの形で過ごしていきたいという気持ちと、別の幸せの形を見つけ、それが当たり前になって楽しいのではないかと思う気持ちがある。
ようは俺達の未来は分からない。
息子にも、娘にも、従者にも、妹にも、兄にも、姉にも、弟にも、父にも、母にも、親友達にも、友人達にも、領民達にも、殿下にも、攻略対象達にも、主人公にも、あの乙女ゲームにも、ライバル令嬢にも、悪役令息にも、国王にも、女王にも、女神にも。――追放された悪役令嬢にも、転生した男爵にも。
俺にも分からないし、妻にも分からない。
この、スローで不思議な結婚生活の未来はいつだって未知で分からないままだ。
「クロ殿、ちょっとこちらを向いてくれ」
「はい?」
――だが。
「―――――」
「――、……。どうしたんです、ヴァイオレットさん。先程誓いのキスはしたのに、また急にしたのですか?」
だが、今の俺には確実に分かる事がある。
「誓いの言葉は私とクロ殿で二回やった。なのにキスだけが一度ではおかしいのではと思ってな。だから、やった」
「そうは言いますが、単にやりたかっただけですよね?」
「な、なんの事だか分からないな」
「顔赤いですよー」
「え、ええい、クロ殿は嫌だったのか!?」
「嬉しいに決まっているじゃないですか。なので誓いの言葉をあと五回くらいやりませんか?」
「やらない!」
「えー。まぁ良いですけど。この後でそのくらいはやるでしょうからね!」
「堂々と言うものじゃないぞ!」
「堂々とやった人がなにを言いますか」
「うぬぅ……!」
「可愛く照れますねー」
「照れてない」
「照れてます」
「照れてない」
俺はヴァイオレットと結婚出来て、幸せだ。
「ヴァイオレットさん。大好きですよ」
「私も大好きだよ、クロ殿」
『追放された悪役令嬢と転生男爵のスローで不思議な結婚生活 』
は、本話、1900話にて完結とさせて頂きます。
いつか後日譚やアナザー、設定のような話は投稿する事はあるかもしれませんが、ご愛読ありがとうございました!




