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異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第四章 王都と勇者編
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93 いざ、王都へ

王都へ行くことになり、諸々の連絡を終え、翌日の朝に王都へ向けて馬車に乗り出発した。馬車は安物ではあるが全体を魔法で強化しており、そう壊れる事は無い。予想通り玉藻とリーゼは行くと言ってきた。今回は玉藻とリーゼと3人旅…なんて事はなく、リルまでも同行を願い出てきた。



「馬車の旅は久々じゃのぅ」


「妾は初めてだな。しかし、豪華なものだな。このような安物の馬車を曳くのが神獣スレイプニルとは…」


「他に良いのがいなかったんだよ。ペガサスもユニコーンも馬型だけど、支援タイプで馬車を引くほど力無いんだから」



この馬車をわざわざ強化している理由が馬だ。今までリルに乗って移動してたんだから、馬車でもいけるんじゃないかと引かせてみようと思ったのだが、どうしても後ろ足が馬車に当たってしまって走れなかった。ならば馬型の召喚獣ならばと召喚したのは良いが、ユニコーンもペガサスも馬車を引かせてもそこまでの速度が出なかった。まぁ、リル基準であって普通の馬よりは速いんだけど…



『すまぬ。あれ以上小さくなると我も馬車を引くのにバランスが悪い』


「まぁ普通の馬用だし、あの段階で結構前に傾いてたしね」



そもそもスレイプニルが規格外と言えなくもない。リルと違い、後ろに馬車が取り付けられてるのにスピードが落ちていない。最高速はリルが上だが、長距離の移動となるとスレイプニルが圧倒的に速いのだろう。



「普通の馬車で1週間くらいらしいけど、この分だと明日の朝には王都に着いてそうだね」


「着いた所で門は閉じとるじゃろ。王都は毎晩、夜になると門を閉じるからの」


「マジで?てことは、何処かで野営して門が開く頃に行った方が良いかな」



グラマスはガルーダを使って、往復3日って言ってたけど、スレイプニルさんマジヤバいな。陸路で1日で着くとは…。いや、ガルーダももしかしたら休憩込みで3日で、実際は2日で往復も可能なのかも知れない。ていうか私のガルーダならいけるな。籠の中が凄い事になりそうだけど。最高速で飛んでもらった時、衝撃波が出てたから多分、音速超えてるし。



「そういや途中だったな…」


「何がじゃ?」


「いや、ガルーダでの移動用に籠を作ってたんだけど、調子に乗ってやり過ぎて完成してなかったな、と…」


「普通に背に乗れば良いだろう?なんなら妾の背に乗せて飛んでやっても良いぞ」


「上空は酸素が薄いし、気温が低いの。人間には厳しい環境なんだよ」



そう、上空は寒い。少しの間、飛ぶ程度なら魔法でどうにでもなるが、飛び続けるとなると複数の魔法を常時展開しなくてはならず意外に面倒なのだ。

その為に籠を作成したが、軽くするためにミスリルを買い集め、鉄に混ぜて軽量化して基礎フレームを作り、薄く作った壁に魔導具で強化魔法を付与し、外の状況が分かるように窓を作って強化と断熱を施し…と、色々加えていって完成に至っていない。せめてミスリルがもっとあればフレームをすべてミスリル製にして大幅な軽量化が出来るのだが…

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