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異世界の女大賢者  作者: 山田 奏
第三章 新生活と弟子編
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エリンの想い

カインは少し危なかったけど、ゴーレムを倒した。グースは先生の教え通りしっかり攻撃を盾で防いで安定した戦いだった。次は私だ。



「エリン、準備は良い?」


「はい!」



お調子者のカイルだってやれたんだ。私が失敗する訳にはいかない。


私は、物心ついた時から教会にいた。シスターの話では赤ん坊の頃に捨てられていた私を見つけたらしい。それからずっとシスターと暮らしている。その後、大きくなった子供たちは働く為に教会を出て行ったり、またどこかからシスターが拾ってきたりして、今の4人になった。

つまり、私が1番の先輩なんだ。皆で話し合って、冒険者になろうと誓った。危険はあるけど、実力に合った仕事を選べば危険は少ないし、上手くいけば大金が手に入る。そうすればシスターの助けになる。カインはお調子者だし、グースはあまり自己主張しないタイプ。マリーは人見知りで争い事が苦手…。だから、私が皆を引っ張っていかないと…



「!?」



ゴーレムの右手側が動いた。カインの時に見た。多分、泥の玉が飛んでくる。しっかりと動きを見て攻撃をかわし、矢を放った。



「よし!」



矢はゴーレムに当たった。すぐさまゴーレムを中心に周り、隙を窺う。先生は弓は基本的に仲間の後からの支援が目的だって言ってた。目なんかの柔らかい所を狙って、相手の行動を阻害するのが役割だって。しかし、この戦闘は1対1。前に仲間はいない。そういう時には自分の距離を保って、動き回らないといけないって…。だから、ゴーレムと戦うために毎日走って体力を付けた。

その時、ゴーレムが前の2人の時と違う動きをした。体を丸めるように少し小さくなった。



(今までに無い動き!何が…)



私はとっさに顔と胸を庇った。ゴーレムが一気に体を起こすと小さな泥の玉が周囲にばらまかれた。顔を庇った腕と脇腹に1発、掠めるように当たった。

少し痛い。けど、先生の授業を聞いてて助かった。先生から聞いていた全体攻撃の対処法。敵は基本的にヘイトっていうのが一番高い相手を攻撃する。けど、たまに関係なく全員に対する攻撃があるらしい。その場合、威力は下がる物が多いけどどこに飛んでくるか分からない。怖いのは頭や心臓に当たって即死する事、そして目なんかに当たって視界を奪われる事だって…



「こ、のぉぉ!!」



痛みを我慢して、矢を番えてゴーレムに放った。矢はゴーレムに当たり、泥のゴーレムは崩れてただの泥に戻った。



「た、倒せた…」



力が抜け、膝をついた。やった…。私もゴーレムを倒せた。スムーズにいかなかったけど、先生の授業で習った事をちゃんと守って、何とか倒せた。

もっと、上手くやらないと…。そう思った時、体が温かい光に包まれた。マリーが回復魔法をかけてくれた様だ。私が守らないといけないって思ってたけど、こういう助け合いの方が仲間っぽいな…

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