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云々蒐集短譚  作者: 里崎
16/30

ありじごくつんつん/安全靴/雨と魔法使い

#君・私・地獄で文を作ってください

#爪・死・僕で文を作ると性癖がバレる

#雨・僕・嘘で文を作ると性癖がバレる

参加作品

空き地の隅でもそもそ動く渋い色のランドセルを覗き込む。ぱっと花咲くように笑う、泥んこの顔。

「あ、にーちゃん君臨!」

「おう。それ何」

「ありじごく、つんつんしてる!」

楽しいのかそれ、と眉を寄せる俺の服を、泥だらけの手で引っぱって、

「おおー、私服」

と小さい生き物は目を丸くする。

「来週、体育祭なんだよ」

帰るぞ、と手を繋いだところで、六時の時報と二人分の腹の虫が同時に鳴った。


***


青年の爪先が男の顔にめりこむ。男の手から落ちたポリタンクに工場長が飛びつく。

「元従業員だって?」

ようやく現れた濃紺の制服を、男を拘束した青年が睨む。

「遅いぞ、死人が出る」

「君のそれ、出番できてよかったじゃない」

「…安全靴を武器扱いするな、公僕」


***


軒先の下、幼子と手を繋いだ少年が、のんびりと曇天を見上げる。

「雨、やまないね」幼子がぽつりと言う。

少年が答える。「この星の循環はずっと昔に破綻していて、僕ら魔法使いが生きる時間と引き換えに、束の間の晴天を作るんだよ」

道行く数人がそれを耳にし、驚きに足を止める。

少年はいたずらっこのように目を細めて言い足した。「嘘だよ」

皆がなぁんだと歩き去ったあと。

「嘘だよ」

軒先の下、幼子と手を繋いだ老人が、虹のかかった青空を見上げる。


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