隠しクエスト
「最近、勇者ちゃん見当たらなくて寂しいの」
花屋に愚痴を言いにきた戦士は、倒れてる魔法使いの口にステーキをネジ込みながら話す。
「生き返ったー」
「ねえ、聞いてる?」
「うんうん、聞いてるって。異世界人の解剖についてだよね」
魔法使いは起き上がり、人食い花に手をかざした。人食い花は、ペッと鍛冶屋の親父さんを吐き出した。
城の執務室で、大臣は頭を抱える。
「城の修繕費と食費が以外とかかった上、兵士が命を狙われてると辞表を出してきた。どうなってるのじゃ……」
大臣の背後から、メイドが顔を出す。
「食費なら、料理長がこの間のゴキブリ退治のお礼に、犬のご飯のステーキを、ここ36日間、542g多くしてましたよ。あと、兵士は朝晩10時04分に天使令嬢から毎日無言通話がきて、病んできて、3分40秒に一回後ろを見るとか」
「……」
大臣はメイドを見つめた。
「……何で、お前また牢屋から出てるんだ?」
「……」
「何か言えー!!」
大臣は叫んだ。
「大臣、元気が良いのう」
階下からの大臣の声を聞きながら、王と王妃は床の修繕を進める。
「あら、これは何かしら?」
王妃は、何か書かれてる冊子を見つけた。
犬語 意味
ワン 王様
ワワン 王妃様
クーン 異世界
クーンクーン 勇者
ワフ 来た
ワフワフ 勝手に
ガウ ハンカチ
ガウガウ 使ってる
キャン 知ってる
キャンキャン ゴキブリ
ワン! 見つける
クーン! 頼む
「何かしら?」
次のページをめくる。
宇宙 意味
✦ は
≋ を
⊹ です・だ
∵ 原因
⊗ 異世界
⌘ ワームホール
☼ 勇者
⇄ 該当する・持つ
⌁⟡ 剣の形の小物
⇅ 女装
♆ 最近
∞ 増える
☍ 聞く・情報
⟁ 確定
≒ 調べる・特定
ψ 可能
∯ 持つ・所有
≠ 違う
⇶ 他
⌖ 心当たり
✧ 趣味
⊰ 起こる
⟟ 反応
「……本当に、何かしら?」
「おお、それは懐かしい!」
王が、王妃の後ろから冊子を覗いた。
「それは、ワシのメモ帳じゃ。一度、記憶喪失になった経験があるから、一時期メモ魔になってたのじゃ」
「昔、剣のキーホルダーのお土産持って、この世界に来た時のことですっけ?」
「ああ。お前と出会う前に、色々あった気がするのじゃが、思い出せなくてな……」
「あなたのいた世界では、この言語を使ってたのですか?」
「いや、たぶん使わん」
僕は、誰かに揺すられて目が覚めた。今まで下らないことをやっていたような気がするけど、何も思い出せない。最後の記憶は、お土産屋で剣のキーホルダーを持ったら光に包まれたことだけ。
「こら! 起きたなら、わたくしに何か言うことがあるのではないのですか?」
目の前には、可愛い娘がいた。きっと、彼女が起こしてくれたのだろう。ボーッとした頭で、何とか声を出す。
「……焼いた青魚の身ような肌と、泥水のように艶やかな髪、鳩のようなつぶらな瞳の美しいあなたは?」
「……」
次の瞬間、衝撃が走った。また意識が遠退いていく。
「しまったわ! ついイラッとして、手が出てしまった……」
薄れ行く意識の中、慌てる娘を見て、可憐だなと思った。
TRUE END
ここまで『王様クエスト』を読んでくださり、ありがとうございました!
全17話、無事に完結しました。
この作品は、バカゲーRPGのようなノリで、思いついたネタを詰め込みながら楽しく書いた作品です。
少しでも「くだらない」「なんだこれ」と笑っていただけていたら嬉しいです。
最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!




