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チートな真眼の少年は、異世界を満喫する! ~金髪幼女を助けたら、未亡人のママさん冒険者とも仲良くなりました♪~  作者: 月ノ宮マクラ


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174・愛情に溺れて〈※クレフィーン視点〉

(……どうしましょう?)


 私は、自分の変化に悩みました。


 私の隣には、今、シンイチ君がいます。


 愛しい私の婚約者。


 現在は1つ目の『邪竜の腐肉』を処理し、2つ目の場所へと街道を竜車で移動している最中でした。


 ゴトゴト


 地面の凹凸で、車両が振動します。


 その度に、彼の肩が私に触れます。


 ただそれだけ……当たり前の出来事なのに、私の心はそれだけで熱を帯びました。


 ドキドキ


 胸が苦しい。


(本当にどうしたのですか、クレフィーン?)


 27歳にもなるいい年をした母親が、まるで若い乙女のように男性との接触に動揺するなんて……自分で自分が信じられません。


 と、その時、彼が私を見ました。


 目が合います。


(あ……)


 瞬間、彼は嬉しそうに笑いました。


 …………。


 …………。


 …………。


 その笑顔を見ただけで、私は言葉をなくし、身体が固まってしまいました。


 下腹部が熱く疼きます。


 無意識に手を伸ばし、


 ギュッ


 彼を抱き締めていました。


 年下の婚約者の少年は、少し驚いた表情で、でも逆らいません。


(~~~~)


 まるで我が子のように愛おしく、また1人の男性としても素晴らしく、溢れる愛情のままに彼を抱いたまま、その髪を撫でていました。


 おでこにも、軽くキスをします。


「わ?」


 彼の驚く声がします。


 でも、それすらも可愛くて……。


(ああ……本当に、どうしましょう?)


 今の私は、この目の前のシンイチ君が好きすぎて、自分自身を抑えるのが難しくなっています。


 同じ車内にいる友人たちは、呆れた顔で。


 でも、止めません。


 アルとレイアの2人は、私たちの関係を祝福してくれていました。


 なので今回のクエストでの移動中も、宿に泊まる時は私たち2人だけは別室にしてくれて、翌日に疲れは残さないようにと気をつけながら、私も彼との逢瀬を重ねました。


 まだ若い10代の男の子。


 その性欲は強く、好奇心も旺盛で。


 求められる喜びのまま、私も全てを受け入れました。


 そして私自身、この身にできる全てを駆使して、彼を喜ばせようとがんばりました。


(……はしたないと思われていないでしょうか?)


 そう、心配にもなります。


 ですが、彼との年齢差もあります。


 若い女にはできない、させてもらえないことをしなければ、すぐに愛想を尽かされてしまうのではないか……そんな思いもあり、精一杯の奉仕に努めています。


 シンイチ君……私を捨てないでくださいね?


(……ふふ)


 自分がこれほど弱い女だったのかと驚きます。


 そして、それ程に、この若い婚約者に執着しているのだと、今まで知らなかった自分の一面に愕然ともしました。


 自嘲の思い。


 けれど、


 ギュッ


「あ……」


 シンイチ君の両手が、私を抱き返しました。


 私より小さく、けれど、温かな手。


 私を散々悦ばせ、翻弄した若い男の手。


 それが、私自身を包むように、満たすように、強く、力を込めて、私の身体を引き寄せていました。


 彼と密着します。


 若い男の匂いに、一瞬、頭がクラクラしました。


 私の長い髪ごと、彼の手が背中を撫でてくれます。


 まるで、幼い子供を宥めるように。


 あるいは、熟れた女の猛る欲情を鎮め、優しく労わるように。


 そして、小さな子供が母親に愛情たっぷりに抱き着くように、彼は私の身体を抱き締め続けました。


(……っ)


 感情が溢れます。


 愛おしい……。


 この身の母性と女の両方の愛情を満たす、不思議な少年。


 かつて、あの人にも感じたことのない、自分の芯までが侵食されたような想いの深みがあります。


 何でもしたい。


 何でもしよう。


 この子のためなら……!


 その時、


 スッ


(あ……)


 彼が身体を離しました。


 驚く私を見て、彼は少し赤くなった顔のまま笑いました。


 私の耳元に、


「今はまだ、我慢しましょう」


「……っ」


 私は赤面しました。


 自分の中の浅ましい女の部分を、この子に見抜かれていたことを知り、窘められたことに深い羞恥を覚えました。


 ですが、同時に、ある種の快感も。


 自分の恥ずかしい感情も、この子は受け入れてくれている。


 その笑顔に、それを感じます。


 同時に、彼自身、私を求めたい気持ちを必死に我慢しているのだということも伝わって……。


(ああ……シンイチ君)


 私は、自分を律するのに苦労します。


 年上の女として。


 その威厳を保ち、彼の憧れの対象でいたいのに。


 それなのに、シンイチ君は簡単にそんな私の仮面を砕き、その下にある弱い私の素顔を見つめ、いじめてくるのです。


 ドキドキ


 胸が苦しい。


 想いの熱さが全身を焼きます。


(ああ……本当に、どうしましょう?)


 この年下の少年からの愛情に溺れる自分に、私は本当に悩んでしまうのでした。



 ◇◇◇◇◇◇◇



 ――2つ目の『邪竜の腐肉』を処理しました。



 複数のワイバーンと怪鳥の魔物が棲む渓谷の崖、地上70メードの岩壁に腐肉は隠れていました。


(あんな場所に……)


 と、全員が驚きました。


 地上からは、決して目視できません。


 シンイチ君の秘術の目があればこそ、その潜伏場所を発見できたと言えるでしょう。


 そして、私たちは、彼の『土霊の岩槍』とレイアの大弓の矢の狙撃により、崖を崩し、腐肉を地上へと落下させ、私の『白き炎霊』で焼き払いました。


「私の出番、なかったね」


 と、アルは苦笑します。


 何を言っているのか……。


(道中、空から襲い来る魔物を1番排除したのは誰ですか?)


 他2人も呆れた顔です。


 ともあれ、無事、クエストは達成しました。


 腐肉の処理後は、シンイチ君が複数確認した『中濃度汚染体』も秘術の目で見極め、全個体、駆除も行いました。


 今後、ファナへの脅威も減るでしょう。


(――よし)


 母としても、一安心です。


 やがて、その場を離れると、再び竜車で王都への帰還の旅が始まりました。


 約8日間の旅。


 寝台付きの竜車ですが、道中、街の宿屋に泊まることもありました。


 部屋割りは、2つで。


「ま、ごゆっくり」


「少しは声、抑えなさいよ?」


 と、友人たちは私の肩をポンポンと叩きます。


(もう……っ)


 恥ずかしさと感謝で、少し複雑です。


 ですが、彼女たちの予想通り、私とシンイチ君はクエスト達成の解放感もあり、その夜も深く愛し合ってしまいました。


 本当に覚えの早い子です。


 私の方が翻弄される時もあり……その、大変でした。


 でも、やはり幸せで。


(ああ……シンイチ君)


 その快楽の中で、私はまた彼に溺れてしまいました。


 事後、しばしの休息を取ります。


 水差しの水を飲み、裸のまま、2人でベッドに座り談笑していました。


 不思議なもので、あれほど大胆だった少年は、けれど、今になると私の裸を見ただけで顔を赤くし、照れたりもします。


(ふふ……)


 まだ15歳、そういう所は可愛いですね。


 私の母性が、また疼きます。


 将来は、ファナの相手もしてもらうことになるのでしょう。


 その時には私も30歳を越えている訳で、若い彼の相手をするには、2人がかりでちょうどよいのかもしれませんね。


 それまでは、私が1人で……。


(……身体が持つでしょうか?)


 頬を赤らめながら、私は幸せな心配をしてしまいます。


 そんな私に、彼は不思議そうな顔。


 ふふっ。


 私は笑い、年下の彼にキスをします。


 彼は驚いた顔をして、それから、少し飢えた表情になりました。


(あら?)


 また、こんな私の肉体に興奮してくれたのですか?


 そんな若い婚約者に、嬉しくなります。


 彼は再び、私を押し倒してきました。


 私も喜びを感じながら、甘んじて、それを受け入れようとします。


 ポフッ


 私は、ベッドに押し倒されました。


 私の長い金色の髪がシーツに広がり、そんな私の上に、愛しい少年が覆い被さろうとします。


 その時でした。


 彼の黒い瞳が、開きます。


(?)


 何かに驚いた表情で。


 それが、秘術が彼の目に何かを見せている時のものだと、すぐに気づきました。


 しかし、こんな時に……。


 私は、残念な思いでしばらく待ちます。


 30秒ほどの沈黙。


 ですが、その間に、シンイチ君の表情は驚きから茫然となり、その顔色も青くなっていきました。


(……シンイチ君?)


 私は驚きます。


 熱を帯びていた彼の身体が冷えていました。


 私は身を起こします。


「シンイチ君、どうかしましたか?」


 と、声をかけました。


 彼は私を見返し、その表情は泣きそうでした。


 いったい、何が?


 私は、シンイチ君の手を握りました。


 年下の彼も、すがるように握り返してきます。


 彼は1度、息を吐き、



「――たった今、魔瘴気の満ちる黒き森に行ったオーディン・レクスさんが、その地にいた腐肉を守る『高濃度汚染体』にやられてしまいました」



 と、震える声で告げたのです。

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― 新着の感想 ―
クレフィーンさんが此処まで積極的になっているのも「捨てないで」という気持ちが強いからか・・・まぁ前旦那も病死しているし、不安になる気持ちも分かるよね・・・けど真一もちゃんとリードしててエライ。これなら…
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