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家族に疎まれて、醜穢令嬢として名を馳せましたが、信用出来る執事がいるので大丈夫です  作者: 花野拓海
二章 しかし、概して人々が運命と呼ぶものは、大半が自分の愚行にすぎない。
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男子が好きな子を虐めたくなる心境。ぶっちゃけわかんない

前回のあらすじ


レベッカ「私って普通じゃないの!?」


アイト「頑張ってくださいねお嬢様!」


今日最後の更新です

 控え室がある。

 王城に勤務している執事にレベッカはそう言われたが、レベッカは控え室に行きたいと思えなかった。


 控え室には十中八九ヴァインヒルト達も居る。執事も、他の家族が待機していると言っていた。


「行きたくない」


 レベッカはそう言いたかった。だけど、その言葉を言うと、その執事にどれだけの迷惑がかかるのかわからなかったが、それだけはしたくなかったのだ。


 結局、レベッカはアイトと一緒に控え室に向かうことになった。


 レベッカたちの前で執事が二人を誘導してくれている。

 執事の後ろを歩きながらアイトはレベッカを見てきた。


「大丈夫ですか?」


 その大丈夫には色んな意味が込められていることがわかった。

 本音を言えば大丈夫じゃない。でも、


「我儘言ったら、ダメだからね」


 レベッカは我慢することを選んだのだ。

 だが、それでは折角ヴァインヒルトたちと離したのに、意味が無くなってしまう。


「すみません。少しお願いがあるのですが」


 だが、アイトはレベッカが我慢することを許さなかった。


「はい。なんでございましょう」


 呼び止められ、振り返った執事に対して、アイトは


「申し訳ございませんが、お嬢様の控え室は、ご家族と別の部屋にしてはいただけないでしょうか?」


 レベッカの望みを要求した。


「………それは無理でございます」


 だが、執事はそれを拒否した。

 事前に言うのであればまだしも、当日に言うと、どうしても掃除できていない部屋もある。準備ができていないのだ。


「そちらの事情は承知しています。そのうえでお願いできないでしょうか?」


 アイトも無理を言っている自覚はある。だが、せっかくレベッカが楽しみにしている社交会の前にその気分を害するようなことはしたくなかったのだ。


「もう、いいよ。アイト」


 だけど、それをレベッカは止めた。

 そしてレベッカはそのまま執事の方を向くと


「すみませんでした」


 そう言って頭を下げた。

 それにアイトは複雑そうな表情を浮かべるも、レベッカに免じて、引き下がった。


 その様子を執事はしばらく見つめると、魔導具を取り出して、話しかけた。


「あれは、通話用の魔導具ですね」


 疑問に思っていたレベッカに、アイトが答えてくれた。


「通話用ってことは、もしかして私たち、追い出されちゃうのかな?」


「いえ、それはさすがにないとは思いますが………」


 だが、目の前で急に立ち止まって話し始めた執事に不信感を覚えた二人。


 もしかしたら追い出されるかもしれない。そんな不安が頭の中で駆け巡るレベッカを他所に、執事は通話を終えると、改めて二人を見た。


「レベッカ・ルーズ様、よろしいでしょうか?」


「ひゃ、ひゃい!」


 急に名前を訊ねられたレベッカは混乱しながらも返事をした。

 そんなレベッカを執事は微笑ましそうな表情で見ていた。


「緊張しなくても大丈夫でございます。先程までは貴方様を試していたのです」


「試す、ですか?」


「はい」


 試す。そんなことを言われてもレベッカには、自分が試されるような人間とは思えなかったし、試される覚えもなかった。


「あの、私、自分が試されるような人間とは思えないのですが………」


「ええ。ですが我々も王族に仕えるもの。不安分子は取り除く必要があるのですよ」


 執事がそう言うと、アイトがレベッカの前に立ち塞がった。


「我々と、敵対するつもりですか?」


「いいえ?私とて、アイト・カイトと戦うつもりはありませぬ。負ける未来しか見えぬのでな」


 だが、執事はアイト以外になら勝てると、そう言った。


「私は、王族に仕えるものとして、安全を確保する義務があります。ルーズ家からは悪い噂は聞きませぬが、レベッカ・ルーズからは悪い噂しか聞かぬ。その真偽を調べるため、と言えば安心できますでしょうか?」


 レベッカの悪名の真偽。

 確かに、レベッカは悪魔の子の生まれ変わりの疑惑があるため、そのような身に覚えのない噂が大量にある。


「噂に聞いていた、不幸を呼ぶ傲岸不遜な醜穢令嬢とは、真逆の存在ですな。それが演技ならば、女優の才能があるでしょう」


「つまり、私はお眼鏡にかなったってことですか?」


「はい。貴族の中にはなかなかいませぬが、家族仲が悪い子もいます。そういう子には特別に別の待機部屋を用意していますので、そちらにご案内しますよ」


「つまり、お嬢様はあなた方の信用を得ることができた。そう解釈しても?」


 アイトのその言葉に、執事は頷くだけだった。


「あの、最後にもう一つ、いいですか?」


 だが、先導を始めた執事を再度呼び止めたのはレベッカだった。


「どうしましたか?」


「本当に、私を社交会に入れても、よかったのですか?」


 つまり、レベッカはまだ、信じられないのだ。

 先程執事は、不安分子を取り除くと言った。だが、レベッカは不安分子そのものだ。それはレベッカが持っている恩恵(ギフト)が証明している。


 だが、執事はそれを聞くと、軽く笑い始めた。


「ふふふ。私は、これでも人を見る目には自信があります。あなたは、その力を意図して使ったことはなく、これからもない。そうですよね?」


「え?それは、もちろん………」


「でしたら、私は構いません」


 執事はそう言ってレベッカに近づいて言った。


「疑心暗鬼になるのもわからなくはないです。ですが、たまにはもっと人を信頼してもよろしいのではないでしょうか?」


 その言葉を聞いた瞬間、レベッカの頭の中に、一人の少女の姿が思い浮かんだ。


(ステラ………)


 レベッカが唯一、アイト以外で信頼した人物。


 何故だろう。レベッカは執事の言うことをこれほどまでに信用できなかったのは。


「私は、あなたの過去を知りません。どんな経験をしたのか分かりません。ですが、大切なのは今であり、未来です。もっと、前を向いて進んでもよろしいのでは?」


 その言葉を聞いて、レベッカの心は少しだけ軽くなった。


「そう、ですね。ありがとうございます」


 レベッカのお礼の言葉を聞くと、執事は笑って部屋へ誘導を再開した。

Q.控え室ってどんなの?

A.普通の客室。客室は、相手に家の尊厳を見せつけるために豪華なことが多い。今回も例に漏れずに豪華


Q.この執事の人って何歳くらいなの?

A.65歳くらい


Q.もし控え室一緒だったらどうなってたの?

A.普通に邪険にされてた


最近これといった鬱要素ないけど、大丈夫なのか割と心配しています

まあ2章は恋愛要素多めにしたかったしね


ここまで読んでくださりありがとうございます!

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