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精神力+想像力=魔法創成  作者: 耕一
第4章:はるか編
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第11話~魔王の欠片~

「君に恨みはないが、

 魔族に荷担するのを見逃す事は出来ない。

 決着と行こう。」


勇者の剣がより強く輝き出した。

全ての精神力を込めた一撃って所か。


「魔王を倒した僕の奥義だ。」


そんなもの受けたら確実に死ぬな。

だったら


「オールサウザンドソード」

「な!?なんて数の剣だ・・・。」


この部屋内なら避けれないからね。

魔王を倒した奥義とやらで防ぐしかないよ。


「アイルフラッシュ!!」


自分の名前が入った技って良く言えるな。

恥ずかしくないのかな?

なんて思いつつ、勇者が奥義を放った。

もちろん俺にではなく、

仲間の頭上に降り注ぐ剣に。

横凪ぎの一閃は仲間の頭上に降り注ぐ剣を

見事に振り払った。

しかし、自分に降り注いだ剣までは

対処出来なかった様で、

身体中に剣が刺さっている。

これで勝負ありだ。

・・・シャルムが何かをしようとしている?


「コウイチ様!!」


はるかの声が聞こえた瞬間、

何かが突き刺さる音と共に血飛沫が舞った。


「はるか!?」


はるかの体に光の何かが突き刺さっている。

そして消えたと同時に大量の血が溢れてきた。


「・・・コウイチ様。」

「喋るな!!くそ!血が止まらない!!」


俺を庇ったせいで!!

どうすれば止まるんだ!?


「魔王の娘が人間を庇った・・・?」

「信じられません・・・。」

「2人共!!

 そんな事よりアイルの回復が先よ!!」


そうだ、回復!!


「ホミン、頼む。はるかを回復してくれ・・・。」

「え・・・?」

「ホミン!

 あの者の言う事を聞いては行けません!!

 今は早くアイルを回復するのです!!」

「そ・そうですね。今回復します。」

「ディールはあの者に止めを刺しなさい!!」

「・・・シャルム、貴様!!」


かつてない闇の力が溢れてくる。

この際何でも構わん!!

はるかが助かるなら!!


「まさかこの闇の力、威圧感は・・・」

「魔王・・・?」

「ディール、ホミン!!

 馬鹿な事を言わないで!!

 魔王なら自分で回復出来るでしょう!!

 あの者はただの人間です!!」


魔王・・・?

そうか、あの最後に触れた時に俺の中に欠片を残したのか。

何処までも娘想いの良い魔王だよ。

そして魔王なら回復が出来るのか。

なら魔王!

俺の精神力で魔王の力を増幅して構わんから、

はるかを回復してくれ!!

俺の頭の中に何かが聞こえる。

か細いから聞き取れないが・・・

俺の手に闇が集まりはるかの傷に触れると、

闇が傷を覆った。


「あれは闇の回復魔法!?」

「やっぱり魔王なんだ、アイツは!!」


血が止まり傷が癒えていく。

良かった・・・これではるかは大丈夫だ。


「ホミン!!アイルは回復したの!?」

「回復はしましたが、

 傷が深すぎて起きるには

 もう少し時間が経たないと・・・。」

「ディール!早くあの者を倒しなさい!!」

「馬鹿な!!

 アイルが倒れている今、

 魔王に勝てる訳がない・・・。

 それに魔族が人間を庇ったんだぞ?

 こんな異常な状況で戦うのは・・・。」


このまま全員倒して・・・と行きたい所だが、

勇者達に迷いが出てきたな。

そしてシャルム。

アイツだけは違うみたいだ。

それにあの位置。

動ける様になってから常に最後列にいる。

大魔導師だから後ろにいるのは当然とも言えるが、

そうではない。

味方を盾に自分が生き残るために後ろにいる。

その事にまるで気付いていない所を見ると、

洗脳されてるのは勇者達の方かも知れない。


「ディール!!

 ヤツはあれ程の魔法を放ち、

 重症の者を回復させたのですよ!?

 もう精神力は空です。

 今なら倒せます!!」

「シャルム、黙れ。」

「!?」

「ホミン。

 俺のステータスを見る事が出来るんだろう?

 なら俺の精神力があなた達より

 はるかに多く残っているのは分かるよな?」

「はい・・・私達全員分より多いです。」

「なら勝てないのも分かるだろう?」

「・・・。」

「それに俺は出来ればあなた達を

 殺したくはない。」

「聞いては駄目!!」

「シャルムを除いてな。」

「何ですって!?」

「お前は魔族がいる意味を知っているんだろう?」

「・・・何を言って」

「お前を生かしておくと、

 嘘で塗り固まれた情報を

 広げていきそうだからな。」

「そうはさせない。」

「アイル!!気が付いたのね。」

「君の言っている事は本当なのかも知れない。

 でも魔族が人間を殺しているのもまた事実だ。」

「・・・そうだね。

 どんな事情であれ、

 あなた達から見ればただの殺戮者か。」

「それに僕は勇者だ。

 仲間を見捨てたりはしない。」

「勇者と言えど、今の状態じゃ勝ち目はないよ。」

「仲間が逃げる時間くらいは稼げるさ。

 シャルム。

 僕が攻撃を仕掛けたらテレポーテーションで

 逃げてくれ。」


瞬間移動が使えるのか。

仲間を盾にして、瞬時に逃げる予定だった訳か。


「アイルだけを死なせる訳にはいかない。

 俺も戦うぞ。」

「私も最後まで戦います。」


目に迷いが消えたな。

勇者が立ち上がれば、

仲間もまた奮い起つか・・・。

漫画やゲームでは良く見たシーンだけど、

まさか自分が逆の立場で見る事になるとはね。

さて、グラヴィティゾーンを使えば

勝てるとは思うけど、既にこの雰囲気では

何をやっても負ける感じなんだよな。

シャルムに逃げられたら戦う意味もないし。

それにシャルムの目的、

裏の何かも気になる所だしね。

ここは情報収集のため、一旦逃げるか。

勇者達のおかげで瞬間移動で逃げる事が出来るのを

知れたしね。

魔王・・・瞬間移動で俺とはるかを

出来るだけ遠くに飛ばしてくれ。

頭の中に何か聞こえるが、やっぱり聞き取れない。

だけど俺の精神力を使っているのはわかる。


「部屋に紫色の円が形成されていく?

 これは・・・魔方陣!?」

「心配しなくても、

 あなた達を攻撃するためのものではないさ。」


ただの転送魔方陣だからね。


「これで一旦戦いは終わりだよ。

 勇者アイル、剣士ディール、僧侶ホミン。

 あなた達は魔族がいる意味を

 もっと良く考えて欲しい。」

「魔族がいる意味・・・?」


もっともシャルムが邪魔をするだろうけど。

それに遠くに逃げてしまえば、

会う事もないかも知れないから、

どうでも良いと言えばそれまでだけどね。


「これでお別れだ。それでは、また~♪」

「ま・・・」

「かなたへ!!」

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