第15話~旅立ちの時~
「良かった。歩ける様にまで回復したんだね。」
「はい。ご心配お掛けしました。もう大丈夫です。」
夕食の時間になり、歩いて姿を見せたルーミーさん。
親父さんも一安心したようだ。
「さあ、コウイチも座ってくれ。疲れてるだろうから、胃に優しい魚料理にしたぞ。」
白身魚の煮付けかな?
何の魚かはわからないけどね。
でも美味しそうだ。
そこでふと気付く。
「親父さん。今日の分の料金を払ってませんでした。3,500リノスですよね。」
「あぁ、今日のは奢りだ。ルーミーを助けてくれたしな。遠慮せず、食べてくれ。」
娘思いなのは間違いないんだよな。
暴走さえしなければ良い親父さんなのにね。
「ありがとうございます。いただきます。」
そう言えば煮付けなんて食べた事がないかも。
酷い食生活だったし、一人暮らしになってからは肉料理ばかりだったしな。
ゆっくり味わって食べるとするか。
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ふぁ~、良く寝た。
さて、
「ステータスオープン」
名前 :コウイチ
種族 :人間
体力 :53/53
精神力:9999/9999
力 :20
防御力:14 (+1)
魔防御:7
速さ :21
幸運 :60
体回復:4
精回復:1000
火属性:108
氷属性:105
風属性:61
雷属性:72
闇属性:84
水属性:56
毒属性:45
霧属性:23
装備: 綿の服
【職業】
ガソリンスタンド店員:13
コンビニ店員:30
SE:2000
双剣見習い:4
【魔法】
火属性:ファイヤーボール・ファイヤートルネード・ロケットブースター
氷属性:アイスボール
風属性:ウィンドボール・かまいたち
雷属性:サンダーバキュームボール・サンダー・いかづち・サンダードラゴン
闇属性:ダークボール・ダークアドソープション・ダークアドソープションエンチャント
水属性:ウォーターボール
毒属性:ポイズンボール
霧属性:霧隠れの術
所持金:2,822,050リノス
属性が結構上がってるね。
他のステータスも僅かだけど上がってるし、この調子で行きたいものだね。
おっ、霧属性が増えてる。
最初は~ボールが当たり前と思っていたけど、新しい属性は関係ないみたいだね。
しかし霧って他に何かあるのかな?
この辺りも考察のしがいがありそうだ。
そう言えば火と氷が上がりやすい気がするけど、何でだろう?
バランス良く練習しているはずなのに。
風と雷より早い理由は・・・もしかして水属性を使うと、火と氷も上がるのかな?
風と雷だけ合わせた属性がないしね。
あとで試して見る事にしよう。
気になるのはこんな所かな。
朝食食べて旅立ちの準備でもするか。
毎度見慣れた光景となってきた、入り口の人だかりが今日もあった。
「ちょうど良いタイミングじゃ。」
「町長さん。報酬の件ですか?」
「そうじゃ、約束の1金札を持ってきたぞい。ついでに表彰状でも贈ろうか?」
「結構です。字も読めないので貰っても意味ないですから。」
「字が読めない?今時珍しいのぉ。」
珍しいのか。
やっぱり早いとこ覚えないと面倒そうだな。
「ふむ。後で道具屋に寄ってみてくれんかのぉ。もしかしたら字を覚えられる道具があるかもしれん。」
「えっ?本当ですか。後で寄ってみますね。」
そんな便利な道具があるとは。
いや、待てよ・・・。
字が読めないのが珍しいという事は、相当昔に作られた道具という事か?
壊れてないと良いけど・・・。
今日の朝食はスクランブルエッグとソーセージとフランスパンだ。
相変わらず美味しいな。
「コウイチ。これからどうするつもりなんだい?」
「時間や空間に関する魔法に詳しい人を訪ねようと思います。」
「う~ん、難しいな。わしも見たことがないくらい珍しい魔法だからな。」
「首都メーセならわかるかもしれません。」
「首都メーセ?」
「大気中のメーセを発見した、メーセ人が集まって出来た首都です。
メーセの研究も盛んに行われています。」
なるほど。
そこに行けば何かわかるかもしれないな。
「だが、順調に進んでも行くのに1年は掛かるぞ。」
1年・・・長いな。
「遠回りになるが、北から回ったら良いんじゃないか?北は魔王との戦いが激しかったからな。
珍しい魔法の話も聞けるかもしれん。」
「魔王がいるんですか?」
「魔王は勇者によって数ヵ月前に倒されました。
ただ残党が残っているので、争いは続いているのです。」
なるほど。
魔王に勇者か。
ゲームだったらエンディングが終わった状態だね。
エンディング後の世界を見てみたいと思った事はあったけど、まさか実体験で見る事になるとはね。
魔王退治に行く事になるよりはマシかな?
「わかりました。北回りで回って見ます。」
長旅になりそうだ。
この美味しいご飯も当分は食べれないかもな。
朝食も食べ終え仕度もしたし、そろそろ行くとしよう。
「ルーミーさん、親父さん、色々とお世話になりました。」
「こちらこそ色々と助けて頂き、ありがとうございます。」
「またこの辺りに来たら泊まりに来い。美味しいご飯を出してやるからな。」
「はい、楽しみにしています。それでは、また。」
ちなみにルーミーさんと良い関係に何て事もなく、ここから先は一人旅だ。
っと、その前に道具屋に寄らなきゃな。
「すいません、町長さんから寄るように言われたんですが。」
「おぉ。待っとったよ。ほれ、これじゃ。」
この町に入る時の許可証より少し大きいくらいのサイズだ。
「腕に付ければ文字が読めるようになるよ。」
「わかりました。これはいくらですか?」
「10金札だよ。」
10金札?5,000万円!?家が変える値段ですよ?
「昔はそれくらいしたんだがね。今は全く売れないものだから、ただで上げますよ。」
「何でそんなに高いんですか?」
「これを作れる人が少なくてね。値段も相応だったんだよ。
そのせいで読み書き出来る人は金持ちだけだったんだが、教えて回った人がいてな。
それから読み書きが出来る人が増え、今では出来ない人の方が少ないから、
この道具は必要なくなったという訳だ。」
なるほど。
良い人もいるもんだな。
「納得しました。ありがたく貰っておきます。
後、昨日手に入れた闇のクリスタル等を売りたいのですが。」
「どれどれ・・・全部で6,753リノスだよ。」
「じゃあ、それで回復アイテムを3個ずつと状態回復系のアイテム2個と地図とコンパス、
それからこの寝袋と保存食を10日間分下さい。」
「全部で5,550リノスだよ。」
「余ったお金と3,000リノスをルーミーさんに渡しておいて下さい。」
「ホイホイ。必ず渡しておくよ。」
よし、これで安心だな。
次の町は・・・何処に行けば良いか聞くの忘れたな。
まぁ、地図があるし何とかなるだろう。
・・・多分。
第1章を無事終わることが出来ました。
思いつくままに書いているので、自分ですら予想していない展開が多く、
気が付くとゴブリンだけが登場する予定がダークゴブリンが登場したり、
ダークゴブリンキングを倒して終わりの予定がカミュが登場したりと、
書いている本人が一番楽しんでおります。
そんな小説にブックマークをしてくれる方がいるとは思ってもいなかったので、
ビックリしつつも密かに喜んでいます。
第2章では本当はルーミーと一緒に旅をする予定が、親父さんが強烈だったせいか、
一人旅になってしまったので、新たなヒロインが登場します。
そろそろ旅の仲間がいても良いと思うのですが、
思いつくままに書いているので、どうなることやら。
第2章も既に予約投稿済みとなっているものもあるので、お暇がありましたら覗いてみてください。
それでは、また~♪




