第13話~真の敵~
おっ、まだ太陽が射しているな。
明るい内に戻れて良かったよ。
「コウイチさん。一旦ゴブリンの洞窟の入り口を封鎖しますね。ちょっと離れていてください。」
俺が離れるとルーミーさんが魔法を使った。
「アースクエイク!!」
入り口が崩れたぞ。
なるほど。
こういう使い方も出来るのか。
「これでよしっと。封鎖しておかないと、新しいゴブリンが集まってしまいますからね。
行きましょう、コウイチさん。」
これで本当に任務達成か~。
大変だったけど、魔法も色々覚えたし、双剣も少しは使えるようになってきたし、来て良かったな。
あれ?黒いローブを着た人がいるぞ。
顔まで隠れているから性別もわからんな。
なんでこんなところに?
「ダークゴブリンキングの気配が消えたと思って来てみたら・・・お前らが倒したのか?」
・・・何故ダークゴブリキングがいると知っている?
何か嫌な予感がする・・・。
「冒険者さんですか?ダークゴブリンキングはもう倒したので、安心して下さい。」
「ルーミーさん、近づいたら駄目だ!!」
「えっ?」
「ダークインパクト」
「ルーミーさん!!」
ルーミーさんに衝撃波の様なものが当たり、洞窟の入り口まで吹き飛ばされた。
急いで近寄り・・・良かった生きている。
気絶しているだけだ。
「全く、せっかく良いゴブリンの洞窟が出来たというのに、余計なことをしてくれたもんだ。」
「・・・お前がダークゴブリンを発生させたのか?」
「そうだと言ったらどうする?」
だったら遠慮は入らないな。
洞窟が崩壊するのが怖くて撃てなかったが、全力でやってやる!!
こいつは闇属性をメインとしてそうだから、雷属性で・・・最強の龍をイメージして
「サンダードラゴン!!」
「なに!?」
イメージした通りの龍の形をした雷が出たぞ。
そして、よし!命中!!殺ったか!?
「驚いたよ。
人間程度が、これほどの威力の攻撃をするとはな。」
なっ、無傷!?
外したのか!?
いや、確実に当たっていたはず・・・。
一体何が起きたんだ?
「だが、魔法の使い方が悪すぎるな。
初心者でありながら最強の威力とは、なかなかオモシロイ人間だが危険だな。
今のうちに殺しておくか。」
不味い!!逃げ・・・
「ダークサンダー」
「アースクエイク」
一瞬早くルーミーさんのアースクエイクが敵の足元で発動し、攻撃の軌道がずれた。
「コウイチさん・・・。私は今ので限界です。
今のうちに私を置いて逃げて下さい・・・。」
ここで置いて逃げれば俺は助かるかも知れない。
「わかった・・・と言いたいところだけど、心が言うことを聞いてくれないんでね。」
全く、弱い癖に面倒な性格だよ。
「ほぉ。逃げずに立ちはだかるとはな。せっかく仲間がくれたチャンスをドブに捨てても良いのか?」
「俺もそう思うが、逃がすつもりは無いだろう?」
「察しだけは良いようだな。逃げたら後ろから串刺しにしたんだがな。
だが、精神力が切れたその状態で、一体どうするつもりだ?」
「心配しなくても、俺にはまだこの双剣があるさ。」
俺の双剣じゃ、お話にならない事くらいわかっている。
だが5分・・・いや3分で良い。
3分あれば精神力が50程度回復する。
そこに勝機を見出だすしかない。
「黙っていれば、楽に死ねるものを。」
「確かにな。結局殺されるなら、楽に死んだ方が良いかもな。でもその前に教えてくれ。お前の名は?」
「これから死に逝く者に名乗っても意味はないが冥土の土産だ、特別に教えてやろう。
私の名はカミュだ。」
・・・漫画ならどう考えてもこんな所でやられるキャラの名前じゃないな。
「カミュ・・・ね。覚えておくよ。参考までに教えてくれ。
ダークゴブリンを産み出した理由はなんだ?」
「ただの実験だよ。ダークゴブリンが増える速度や、成長がどれ程なのかを知るためのね。
・・・さて、お喋りはここまでにしようか。」
「待て、最後に教えてくれ。まだこの場所で実験する気なのか?」
「いや、しばらくはゴブリンキングも誕生しないだろうからな。違う場所を探さねばならん。」
それを聞いて安心したよ。
この場さえ切り抜ければ、良いって事だからな。
それに、大分時間は稼げた。
後はカミュの回りを走りながら・・・
「素早さはなかなかだな。さて、どう仕掛けてくる?」
仕掛ける気何て全くない。
この場をどうにか出来る魔法は・・・火・氷・風・雷・闇・水・毒。
駄目だ、何か違う属性を作り出して・・・
闇はカミュも使っていた属性だし、纏っている気配が闇としか思えん。
多分闇から何かの属性を作り出しても効果は薄いな。
毒も当てなければどうにもならない。
雷は無傷だったし。
火と水は蒸発するだけって昨日思ったよな。
・・・蒸発?
そうだ!水と火で水蒸気を発生させつつ、氷で冷やせば・・・
時間は十分稼げた。
イメージは『銀○ -流れ星 銀-』の赤目が使ってた・・・
「忍法・霧隠れの術!!」
「ニンポウ?」
周囲を深い霧が包み込んだぞ、成功だ!!
今のうちに、精神力回復アイテムを飲んで・・・お次はルーミーさんを抱えて、重・・・なんて思ったら失礼だな。
「コウイチさん、私を置いて行って下さい。」
「可愛い女性をお姫様抱っこ出来るなんて、男冥利に尽きるよ。」
ましてやDの称号を持つ俺には、こんな状況なんて生涯味わえないかもしれん。
じっくり堪能して・・・なんてしている場合じゃない!!
何か素早く逃げる方法は・・・そうだ!足から!!
「ロケットブースター!!」
超高速で空中を飛ぶことが出来たぞ!!
このまま全力で逃げる!!
「クックックッ。まさかミストを発生させるとはな。精神力は使いきっていたと思っていたが・・・。
それにニンポウ・・・聞いたことがない言葉だ。面白い。今回は逃がしたが、次に会うときは・・・」
・・・使ってたのは氷魔だったし、忍法でも無かったな。
それに忍法なら『NARUTO -ナ○ト-』の方がイメージしやすかったかも?




