45ー襲来
シャルが、慌てて部屋に飛び込んできた為、まずは落ち着かせて話を聞くことにした。
「シャル、とりあえず落ち着け!どうしたんだい?」
「ああ、もう大丈夫だよ、ハヤミ!街が!バンガードの街が大変なんだよ!」
「この街の何が大変なんだよ?」まだシャルは落ち着いていないようだった。
「だから!街に魔物が攻め込んで来きているんだ!」
「魔物が攻め込んで来る?」
何故?と思ったが今のシャルに聞いても情報が足りないとみた俺は「シャル、一度、イリーと合流して、ギルドに向かえ!いいな」と指示をし、俺はギルドに向かう事にした。
ギルドに着くと、冒険者達が混乱した様子でカウンターのスタッフに喚いている姿を確認できた。
ここも同じようなもんだな、さてどうするかと周りを見てみても、街の民衆も集まりだしてきて取集がつかない状態までなり始めていた。そんな時、ギルドカウンターの上に大きな男が飛び乗り、こう言ったのだ。
「お前達!まずは俺の話を聞いてくれ!」
すごいでかい声だった。
「俺は、ここのギルド長のサザンだ!今、現在、この街は危機に直面している!そうだ!魔物が多数押し寄せている情報を掴んだ!だがまだ時間はある!ここで喚いて時間はない!どうか俺の指示に従って貰いたい!」サザンと名乗ったギルド長は、そう言い頭を下げた。
あれほど、煩かった人々は、サザンの言葉に騒ぐのをやめて静かになったのだ。
「ありがとう、まず情報が届いたのは、1時間前に南地区の冒険者達が発見したのが最初だ、その地区に冒険者達が多数出ていたが、戻ってきた冒険者達は少なかった。帰還した冒険者達は皆、ゴブリンが大量にこの街に押し寄せていると言っている、この事態を受けてこの街は、ゴブリンキングが発生したと見てこの街にて迎撃の体制をとる事を宣言する!皆は、ギルドの指示に従って動いて欲しい!この準備期間でこの街の存亡が関わる事をわかってほしい」
ベテランの冒険者は、すぐに事態を飲み込めたらしく、騒ぐ冒険者達を諌めて、スタッフのところに向かっていく、民衆もギルドスタッフにどうすればいいのかい指示を仰ぎ始めていた。
俺も、シャルとイリーを探し始めることにした。相手はゴブリンという事は、そこまで脅威ではないが、数の暴力には勝てないからな、でもどのくらいの規模なのであろうか?思案しながら探しているとようやく見つける事が出来た。
「シャル、イリー!」
「ハヤミ!どうなったんだい?」シャルは不安そうな顔をしている。
「ゴブリンキングが発生したらしい、あとはこの街での防衛戦になるそうだ」
「ゴブリンキングだって?それは大変だ、でも防衛ってどうするだい?」
「時間がないらしい、ギルドスタッフに指示を仰ごう」
2人は、頷きついてくる。
スタッフは、手際よく、冒険者達を捌いていた。
「ハヤミさん達のパーティは、南の門の防衛をお願い致します、そちらに向かって指示を受けてください」
スタッフにそう言われ、南門に向かう。どうやら、民衆は北門に行かせて、新人冒険者は西に行かせてることがわかった。
南門に着くと、冒険者達が結構いた。
若干落ち着きがない感じを見受けられたが、混乱した様子はない、ベテラン冒険者が多いのであろう。
「だいだい揃ったな!では、指示をする!もう時間がないので1発で動いてくれよ!」
ギルド長のサザンはこう言い、指示をだしていく。
弓を扱える冒険者は、南門の壁にのり、矢を撃てという事。
近接の冒険者は、南門を死守すべく盾を並べて待機する事。
魔術師は、門の中で待機している事。
ランク6以下の冒険者達は、合間を縫って突撃をかけるので門のところで待機する事。
など、次々と指示をしていく。
俺は、シャルとイリーに絶対に生きて帰ってこいと声をかけると『ハヤミもね!』とほっぺたをつねられた。わかっているよと2人と抱き合ってから、壁に登る。
壁の高さは、3メートルほどの高さで幅が1mないくらいだが、立って攻撃する事は出来る感じを受けた。
スタッフが、矢を大量に配置して行っていた。こんなに使うのかという程、置いていくので自分が想像している以上に敵は多いのかも知れないと覚悟を固めた。
「お前ら!ここが正念場だ!ここが突破されたら、街は終わりだと思え!だが望みはある!首都オーランドから援軍が来ている!それまで凌ぐんだ!」
『おう!』全員が声をだして、気合を入れた。
援軍がくるか、ずいぶんと手配がいいなと思ったが、デマかせを言って士気を上げた訳でもあるまい、ここは信じるしか他なかった。
そして、準備が終えた頃、南の森から、ゴブリン達がわさわさと出てくる姿を確認出来たのであった。
字誤・脱字 お許しください。
・魔物情報
【ゴブリンキング】R2、ゴブリンに対して指示を出す事が可能。ゴブリンは、キングの指示に対して絶対であり、命のある限り指示通り動く。ゴブリンの個体は決して強くないが数が多く、指示系統がしっかりしている為、普通のゴブリンを相手するより、厄介である。キング自身は頭に角が生えており、鬼のような形相である。強靭な肉体を持ち、3メートルほどのサイズを誇る非常に稀な魔物である。




