32ー再び
荷車の輪止めを外し、山頂を目指す。
「ハヤミ!、魔物はみえんか?上空だけ見とけよ!」ワーレンさんが言った。
「はい!」と返事をし、上空を見上げてるが、別になにもない。
しばらくすると、山頂に着いた。
「ここで休憩だ!」ワーレンさんが指示を出し始めるとみんなはてきぱきと動き始めた。
「もう大丈夫ですか?」
「そうだな、あとはこの、森を越えればバンガードの街につくがこの森も面倒くせーけどな」ワーレンさんはワシャワシャ髪をいじって答えてくれた。
休憩後、森に入る。左右、森の一本道で幅もあるので軽快に進む。
森も、そんなに深い訳でもないらしく、もう抜けられるのかな~と前方を見てたら、剣を抜いた人がポツンと立っていた。
「何者だい?、此方は5人はいる、変なことを考えているならやめたほうがいいよ」一番前で警戒しながら歩いていたラズさんが剣を抜いている人に声をかけた。
ワーレンさんがとまれのサインを出して、剣を抜いた。
「1人で来るのか?」私は矢の準備をしながら、男の様子を見ていたとき、男が動き始めた!
男は無言のまま、此方に向かって歩き始めたのだ。
「ちっ、止まりな!警告はしたからね」ラズさんは止まらない男に対し、ナイフを投擲し始めた。
その様子を見て、全員が動き始めた。
私も矢を放ったが、男は歩きを止めることもないまま、ナイフも矢も剣で捌き、くるくる回転しながらラズさんの横を過ぎて行く。
ラズさんはその男を横に見ながら信じられない顔でこちらを見て、倒れた。
『ラズ!』
「ロッテ、ロズ、ハヤミ、決して斬りにいくなよ」ワーレンさんが勢いよく男に斬りかかる。
男は、剣をクロスさせてワーレンの剣を受け止めて、回転しながら剣を振るう。
「てめえ、二刀流か!」ワーレンが死角からの剣をかわしながら叫んだ。
「ほう、あんはん、やりますな~」
「まさか‼」
私は関西弁を言った男が前に会った奴だと確信した。
男はくるくる回転をしながら剣を振りまくっていた。
ワーレンは下がりながらハンドサインを出し、ロッテ、ロズベルグがワーレンの左右に散った。
私は、奴だとすれば狙いは、私のはずだと馬車からおりワーレンさんのほうに走り始めた。
戦闘は激化していた。
ワーレンは、剣を振るうのではなく、半身で刺す感じでステップを踏んでいる、ロッテとロズベルトはワーレンに向かってくる剣を両手ではじき返していた。
「面倒やな〜」男は呟くと後ろに飛んで、懐に手を入れ、何かを投げる。
「皆さん、爆薬です!退避してください!」
「散れ!」ワーレンと言いながら、剣を男に投擲した。
「ドゴーン」土埃がおきて視界が塞がって前が見えない。
「ううう」
ロッテとロズベルトは回避損ねたらしく、2人とも仰向けに倒れている。
私はワーレンさんの横を抜けて、土埃の中に突撃をかける。
もうこれ以上、私の為に犠牲を出したくなかったのだ、無謀とも思える行動に、「ハヤミ待て!」ワーレンさんが叫んでいたが、構わずに男に向かって剣を腰に固定しながら突撃をかける。
男はワーレンさんが投げた剣が肩に当たったらしく、剣を抜いていたとこに私が煙の中からでてきたもんだから「あんさん、勇気と無謀は違うんでっせ」と回転しながら剣を振るう。
私はその剣をかわす気はなかった、かわせたところでその次の剣をかわす自信がなかったし、私が一撃入れれる唯一のチャンスを逃すと思ったからだ。
男の剣は、私の肩から入ってきたが片手という事と私の突撃力のせいか胸までは入らず、途中で止まる。
私の固定化していた剣でそのまま男に身体を預ける。
「・・・あんさん、最初からそのつもりやったんか?」
「グ…」血がこみ上げてきたが剣が男の腹に刺さっているのを確認して、更に押し出す。
ズズッと男の腹に剣が入り、血が噴き出してきた、
「ウグ、古田はんがやられたのもわかった気がするわ、が!あんさんも死んで貰うで!」
男は、もう片手の剣を離して、懐に手をいれ、袋を飲み込んだ。
「あんさん、名前はなんていうん?」男は私を手で抱きかかえて耳元で囁く、「ハヤミ!」ワーレンがその様子にダガーを投擲した。
「死ね・・・」
「ハヤミはん…ガッ」
ダガーは、男の眉間に刺さる。
男の力が抜けた時、しゃがみこむように前に転がる。
「伏せて!」と同時に、男が弾けた!
血吹雪と爆風で私も、ワーレンさんも吹き飛んだ。
その場に、誰も立っている者はいなかった。
字誤・脱字 お許しください。




