25ー恐怖
昨晩は大変盛り上がった。
オリドさんは序盤こそお前らがいなくなると寒しくなるなぁ〜と、言っていたが後半はやっと解放されるぜ、これでミイさん(ギルドスタッフ)を落とす時間が取れると息を巻いていた、皆でシラけて聞いていると、皆にガンガン飲ませ始めて全員潰して先に帰ってしまっていた。
朝、酒場で起きると皆と起き始め、宿屋に帰り始めた。
「エル、ルッソ、今日はどうする?」
「一度、宿屋に戻って2の鐘でギルド集合でどうよ」
「了解!」と一度、宿屋に戻り仕度仕直してギルドに向かった。
ギルドにはオリドさんの姿はなく、ボートを眺めてしばらくするとエルとルッソが現れた。
「ハヤミ、早いな」
「そうか?身体が若い所為か元気なんだよ」
「・・・なに訳わかんねー事言ってんだ、俺らが若いのは当たり前だろうが」
「いや・・ま〜気にするな、で、今日は時間が時間だし、訓練と連携を見直さないか?」
「ああ、そうだな、俺らは付き合いが長いから2人の連携はバッチリだぜ」
「悪かったな、時間取らせて貰って」嫌味を言うと
「冗談だろうが、真面目なやっちゃ、なあ、ルッソ」
「ハヤミは真面目だからいいんだよ、誰かさんと違って・・」ルッソは呆れた感じで言っている。
「・・・ルッソ、言うじゃね〜か・・」
「まーまー、お前らが仲がいいのはよくわかった、でどの地区に行くんだ?」
「ん〜そうだなぁ 南地区でどうだ、南地区なら初心者向けだし、実は何回か言った事があるから迷う事もないぜ」
「了解だ、じゃあ行こう」
南地区の門から出て行く、南地区は東西南北で2番目に安全な地域である。
街道こそしっかり整備されていないが、道らしい道はあるし、草原地域が広がっており、ラークスの街ができる前から開拓村がちょこちょことある地域なので、初心者向けとされているのだ、初心者向けといっても西地区から直接魔物が侵入してくるので、危険には変わらないが森林地域が少ないので視界がよく奇襲の心配はない。
目標は10km先くらいにある大木が1本立っている丘にし、魔物を警戒しながらサインの確認など、連携をどうするか簡単だが決めていった、サインは殆どが、エルとルッソが決めてあった連携に、私が追加した感じになった。
連携はエルとルッソを全面に、私が後衛という布陣で進む事になる、無難ではあるし、最初からスムーズな連携などできはしないのだから、私はエルとルッソに合わせて、状況次第で動く事にした。
そんな感じで魔物にも遭わずに1本の大木まで来てしまった。
「魔物に遭わずに来ちまったな〜、何回か来てるが初めてだわー」エルは少し残念って感じで剣を振り回している。
「もしかしたら俺たちよりも前に冒険者が来て駆除したのかもね〜」ルッソがエルをつつきながら喋ってる。
「少し休憩したら戻ろう」私は大木の下に行き、腰を下ろし始めるとエルとルッソも腰を下ろし、弁当を各自、食べ始めた、食べ終わって少ししたら、大木の後方から音が聞こえ始めた。
「魔物か?」後方を確認しようと、私がしゃがみながら大木の影から覗いてみると、冒険者らしい人影が慌てているように街方面に向かって走っている。
「魔物に追われているのかな?」ルッソも覗く
「助太刀するか!」エルが剣を抜き始めた
「いや、あの慌てようは只事ではない、俺らが出て行っても役に立てるとは限らない、少し様子を見てから動こう」私が提案すると「でもよ〜」とエルが不満の様子、ルッソは頷く。
「ハアハア」冒険者の息ずかいが聞こえる距離まで近くなって来ている。
私は何に追われているのか、確認するまでエルを手で制御していた。
「ルッソ、どうだ?」尋ねると「どうも魔物じゃなさそうだが・・・鹿の魔物?」
「鹿!?ルッソ!それ仮面か?」私は限りなく小さい声で尋ねた。
「・・ああ・・仮面を被った人だな・・2人いる・・あれって人間だよな?」
「エル、ルッソ、聞いてくれ!彼奴らはヤバイ、逃げよう!頼むから俺を信じてくれ!」私は相当、怖い顔をしてエルとルッソに頭を下げた。
「わかった、お前がそこまでいうなら只事ではないんだろう」エルはルッソを見て反論は許さんという目で見ていた。
「ありがとう、助かる、大木が上手く俺たちを隠してくれているから、街方面(北方面)に行くのではなく、
南から迂回して、街に戻ろう」エルとルッソを先頭に後ろから追いかける状態で四つん這いになりながら動き始める。
大木から10m程、離れた時、声が聞こえ始めた。
「ひゃっは〜、オラオラ逃げてんじゃね〜よ」
「やめてくれ、頼む」
「ギャー!」
「・・・」
エルとルッソが後ろを振り向くが私が手で制し、前に行けと促す、動きながら、後ろからの声に耳を傾ける。
「・・もう終わりか・・オラオラ動けよ・・カス」
「おい!もう死んでまんがな、行くで〜」
「オダさん、もう少しいいでしょ、刺し 足りないんですよおおおお」
「フルタはん、あんさんに構っている時間はないんだって言ってるでしょ〜」
「だって此奴らが紛らわしいからでしょう、だからお仕置きをしているんですよ、私はね」
「あんさんが3人組でくるって言ったからヤッたんやで、付き合いきれへんわ、あんさんの趣味に興味ないんで〜ほな、ばいなら〜」
「はーい、お先にどうぞ〜」
「ブス!ブス!ブス!」
妙に音が鮮明に聞こえる・・・。
誰かと間違えて殺した?誰だ?私か?・・怖い!怖い!魔物とは違う…本能的な怖さだ。
20m程離れたら声が聞こえなくなった、エルとルッソが丘の段差になっているところに身を隠して、こちらを手招きしている、私もそこに入り息を整えていた。
「なにがあった?」エルが真剣な目で私を見ている。
「追われていた冒険者達は殺された・・・」
沈黙が流れる。
20分ぐらい経っただろうか、そろそろ大丈夫か?とエルが隠れながら音が聞こえた方面を見た時、段差の上から
「み〜〜つけた!」
仮面を被った男が剣を私に向けていたのだった。
字誤・脱字 お許しください。
【世界情報】
神官は基本、治療師である。
治療魔法が使える人は、ほとんどが神官になる事が多い。
魔術師と呼ばれる人は、攻撃系魔法を使う人の事をいう。
魔術師で2系統使える人はダブルと呼ばれる。
冒険者に治療師は殆どいない。
魔法を使える人は冒険者の中で40分の1程度である。
理由として魔法を教えてもらう環境が整っていない事、適正があっても本人がわかっていない事が挙げられる。




