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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第XIII章:現実×世界
65/65

-065- <エピローグ>

それ:「ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!ポマード!…」


藤森:「うるさい! 知らないわよ、ポマードなんか! 私使ってない! ポマードなんか興味ない!」


とうとう、堪らなくなって私は大声で叫び!

途端に、それは、…静かになった。



それ:「じゃあ、食べてもいいね。 お前ポマード持ってないんなら、もう、…食べても良いよね。 あたしゃお腹が空いて、堪らないんだよおおおおおお!」


藤森:「いやああああ!」



果たして!「それ」は、行き成り私に、…私の腕に、…齧り、つく!




途端に、…


私の身体が、光りだす。 青白く、…これって!


掌が、熱い!…次第に、輝きを増していく、…掌の「ハムサ」の紋章、そして、全身を駆け巡る、…「ヒエログリフ」の紋様!



藤森:「これって!」



私の全身に施された「呪い」に触れて、…

「ざんばら髪のお化け」は、一瞬の内に、粉々になって、…消滅した!



藤森:「これってぇ!!!」



次の瞬間!!


来客用スリッパで私の後頭部を殴る音:「パカっ!」

関目:「お前が、五月蠅い!」



仰ぎ見ると、…変態中年男が、立っていた。…何故か、ドラキュラのコスプレ?してる?



三条:「関目さん、駄目ですよ、御姉様に、ばれちゃ…、あっ、」


声の方を振り返ると、館野涼子の部屋から、ひょいと顔をのぞかせる、茜、…なぜだか猫娘のコスプレしてる?



関目:「大体、こんな茶番は、最初から気が乗らなかったんだ。」


何だろう、…モヤモヤする。

て言うか、世界がどうなろうとも、此の男に対する私の気持ちだけは、変わらない。


…いつか、殺す!



藤森:「…、とことん、気まずいわよね、…説明してよ。 どういう事?」

関目:「別に、何て言う事は無い、茜お嬢さんが、サプライズパーティをやりたいと言うから、手伝っていただけだ。」


三条:「御免なさい、…悪気は無かったんです、 御姉様を、びっくりさせたくて。」


藤森:「茜、何で、こんなとこに居るのよ? アンタ「討論大会」の祝賀会に出席してるんじゃなかったの? それに、さっき会った時は、…私の事、」


私に、凄く、…素っ気無くした。



三条:「えーっと、つまり、あれは、…そう! 影武者ドッペルゲンガーです!」

藤森:「私、…寂しかったんだから、」


私は、誰にも聞こえない様に、本当に小さな声で、…囁いた。



三条:「御免なさい。」


コスプレした茜が、大きな胸を小ちゃく縮こまらせて、…しょげてる。



関目:「お嬢様を責めるな、大体、魔法陣の裏側から帰還した人間など、今までに聞いた事も無い、お前が、どうなってしまったのか、記憶や意識は元の侭なのか、3年前の悪魔がどうなったのか、我々にも判断がつかなかったのだ。」



藤森:「私、…寂しかったんだから!」


私は、無性に、遣る瀬無くて、気付いた時には、大声で、…叫んでいた。

後から、後から、涙が、ポロポロ、…零れ出す。


茜が、飛び出してきて、ぎゅっと、…私を抱きしめる。



それから、部屋の奥から、映画の殺人鬼のメイクをした、美弥子が、…姿を見せた。


萱島:「なんや、もう、ばれてもうたん?」

藤森:「美弥子! アンタもグルなの?」


萱島:「うっ、…」


私の本気の、がん泣きに、美弥子が、怯んで、ドアの向こう側に、姿を隠す。



関目:「萱島からの報告に基づいて、お前が以前の記憶を取り戻した事を、知ったのだ。」





つまり、こういう事らしい。


あの日、私はマタマタの怪獣に食べられて、其の儘、魔法陣の裏側に消えた。

次の日、何事も無かったかの様に自宅から登校した私は、夏休み直後からコッチの記憶が曖昧で、ただ、毎日「討論大会」係として学校の図書室に来ていた事以外、覚えていなかったらしい。


あの、ゴスロリ魔法少女は、まず最初に、夏休み前日までの記憶と意識を持った「私」を再生したらしい。

それからその後、男の子の悪魔の欠片と、ヒエログラフの呪いと、可能性のスープと人類滅亡後の異世界までの記憶を、追加、インストールした、と言う事らしい。


記憶の再インストール完了までに約一週間、

その間、美弥子は、毎日夕方、私をファーストフードに呼び出して、他愛もない話を繰り返しながら、記憶の再現状況をチェックしていた、と言う事らしい。


そして昨日の夕方、とうとう私は全ての記憶を取戻し、美弥子からその報告を受けた茜が、急遽「お帰りなさいパーティ」を企画するに至った、と、


つまり、そういう事らしい。



藤森:「ところで、あのゴスロリっ子は、一体何なの?」

関目:「聞くな、…考えたくもない。」


関目が、本当に手に負えない、と言う苦い顔で、…舌を渋る。



三条:「御姉様、ご機嫌直して、…ねっ、お願い~!」


良い匂いの茜にモミクチャにされて、まあ、…イヤな気はしない。



藤森:「もう、…しょうがないなぁ、」


萱島:「それで、パーティは、するんかな? もう、アノ子、七面鳥、…食べてんねんけど、」

三条:「涼子御姉様! まだ駄目〜!」


茜が、すっ飛んで行って、

何だか、忌々しい苦笑いで、関目が、私の事を見詰めている。



関目:「まあ、無事で、…良かったな。」


この変態野郎、私はまだ、…許してないんだからね、


藤森:「当たり前でしょう? アンタに倍返しする迄は、死後の世界からだって戻ってくるわよ!」










さて、…以上が私の体験した、高校一年生の夏休みの出来事の一部である。

一生の間に、これ以上恥ずかしい、恐ろしい目に遭う事はもう無いだろう、…って、この時は思ってた。


まさか、ほんのこの数日後、夏休み最終週に「あの事件」が起きる、その時迄は、…なのだが、


それは又、別のお話、、

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