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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第XII章:可能性×管理者
59/65

-059-

藤森:「たとえば、藤森楓!…とか、」


途端に、私の身体が、実態を伴って、…復活した!

「名前」=「呪文」を呼ぶ事で、「認識」=「契約」が成立し、「可能性」は「現実」へと、…昇格する。



藤森:「おかしいな、私はもっと、可愛かった筈なんだけど、…」

//:「アララ、…よく言うよ、」


藤森:「茜程じゃないけど、もう少し胸だって有った筈だよ、」


と、…思った通りに、私の身体が自在に、変化する。



藤森:「それじゃ、今度は、…イケメン男子とか!」

//:「おいおい!…」


途端に、キラキラした白い歯がまぶしい爽やかなイケメン男子が私の直ぐ傍に出現して、…でもやがて、数秒も保たずに、煙の如くに消え去ってしまう。



藤森:「何だか、簡単じゃないのね、すぐに消えちゃう。」

//:「臨場感が維持しないからだナ。頭の中で否定しちゃったら、もうそれで現実じゃ無くなるんだよ。」


藤森:「でも、だんだん、コツは分かってきたわ。」


藤森:「しばらくは、退屈しなくて、すみそうね、…」

//:「そりゃ、よかったね、…」



私の周りで、次々と、青く輝く「物欲」が、現れては消え、…現れては消え、…


試してみたかった大人っぽいドレス、…外国の香水、…ママだって持ってない高級ブランドのカバン、…自分用のライカ、…クリーム色のベスパ、…読みたかったファッション誌、…可愛い子猫、…お城みたいに大きなお家、…


目紛めまぐるしく、途切れることなく、次第に輝きは増して行き、…



可愛い男の子、…格好良いお兄さん、…素っ裸で犬の格好をした変態関目、…


親友の美弥子、…


美弥子、…茜、…ママ、…パパ、…


焚き火から舞い上がった様な黄金色の火の粉が像を結んで、…それはとても大切なヒト達の姿を成して、…


私の事を、じっと、心配そうに、…見護っている。



それから行き成り柄にもなく、私は、酷いホームシックに、…見舞われる。

理由も無く、必然性も無く、後から後から、青白い輝きで出来た「涙」が、…零れ出す。



こんな所で、私は一体、何をしてるのだろう? こんな所で、私は一体、どうなってしまうのだろう?

もう、本当にもう、二度と、皆とは、…会えないのかな?


今頃、皆は、一体、何をしてるのだろう?


私の事、少し位は、心配しているだろうか?


私の事、…



藤森:「覚えてるかな、…」





いつの間にか、…


私は、声も伝わらない様な、「否存在」の真空の闇の中で、…泣き喚いていた。





知っているだろうか、…


意図せずして、幽体離脱してしまい、幽体アストラルボディが身体を遠く離れ、宇宙の果てで迷子になったとしても、どんな時も「魂の紐」は繋がっていて、ある方法を使えば、一瞬で戻って来れるという事を、…


それは、…


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