表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第XII章:可能性×管理者
57/65

-057-

藤森:「あなた、そんなに簡単に諦めていいの? やらないといけない事があったんじゃないの?」


確か、世界の再生とか、、(その為の現世の破壊も含む、、)


男の子:「僕達は「ルール」に従って役目を果たすんだ。 でも此処には「ルール」が存在しない、通用しない。 此処にいる限り、僕に存在理由は無いんだよ。」


男の子:「でも、こうして今も僕達がお互いを「認識」し合えるのは、僕達の間に「ルール」が働いているからだとも言える。 とても不安定だけれども、僕達二人の間に「世界」が創られているんだ。 本当に、偶々、偶然が重なった「奇跡」ミタイナものだけどね。 多分、次に大きな「波」が来たら、僕達は離れ離れになって、それで、この二人だけの世界は終る。」


「悪魔」が「奇跡」にすがっている様じゃ、もはやどうしようもない、…世も末だナ、


藤森:「よくわかんないけど、あのピンクのウミウシの中と似たようなモノじゃないの?」


男の子:「「アメミット」は情報を認識可能な「意味のある形」で保管するけれど、此処はそうじゃない。 「何でも有る代わりに何にも無いのと殆ど同じ」な状態なんだよ。そして僕達も、直ぐに周りに溶け込んで、同じ様なモノになる。」



私は、…納得いかない。


こんな、殺風景な所で「何にも無いのと殆ど同じ」な状態になるのなんて、我慢できない。

第一「変態関目」には、まだまだ借りを返していない!


藤森:「大体、今こうしていられる事が「奇跡」だっていうのなら、他にも「奇跡」くらいどっかに転がってるんじゃないの? 此処は、「可能性のスープ」なんでしょう!」


男の子:「人間は凄いね、」


男の子:「僕には難しいけど、人間には得意な事がある。 嘘をつく事、意見を変える事、発想を転換する事、物語を創る事、世界を創り返る事、…それは「神」から直接受け継いだ「人間」の能力。」



藤森:「今、私に、何かできる事有る?」


男の子:「君がもしも「魔法陣」を紡ぐ事ができれば、元の世界との扉を繋ぐ事が出来るかも知れない。」


藤森:「魔法なら、「悪魔」のあんたの方が、よっぽど得意なんじゃないの?」


男の子:「魔法を使えるのは、「神」と「人間」だけなんだ。…「天使」や「悪魔」や「聖霊」達は、それぞれ「役目」に応じた「魔法」の「アプリケーション」と「使用権限」をもっているけれど、実際に「魔法」を使う為には、「人間」との契約が必要なんだ。」


藤森:「何だか、オカルトの世界も色々お役所的な手続きがあって大変なのね、」



男の子:「残念だけど、時間切れみたいだ。…ほら、耳を澄ませて、…誰かが何処かで魔法陣を開いたミタイだね。 新しい可能性を世界に引っ張り出す為に、可能性のスープは掻き混ぜられる、…短い間だったけど、最期に君に会えて良かった。」



そうして直ぐに、海の底で海流に翻弄される稚魚の様に、或いはエアポケットにはまった飛行機の様に、私達は為す術もなく、激しい目に見えない流れに飲み込まれて、…掻き混ぜられて、…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ