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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第XI章:悪魔×契約
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藤森:「熱っ!…何、コレ?」/三条:「御姉様!」


私の掌に、浮かび上がる、…「ハムサ」、そして、其処から全身に広がる、「ヒエログラフ」の刺青!


そして、「変態関目」は、恐怖のあまりに膝を着いた無様な格好のままで、私を見て、ニヤリと、…哂った。



関目:「…始まったな、お前の体のヒエログラフが、「悪魔」の憑依を防ごうとしているのだ、と言う事はつまり、お前の願いは、今、この瞬間に叶えられたと言う事なのか? だから、「悪魔」が憑依を開始したナ。」


関目:「一体、お前、何を願ったんだ?」


嘘? 何で? 願いが叶ったって?どういう事?…えっと、私、何を願ったんだっけ、、確か、…


「変態関目をギャフンと言わせる!」って、…





…ええええええ!!!!!! あれっぽっちで、満願成就なの? 何か詐欺っぽくない??



関目:「まあ良い、今更、願いの内容など、どうでもいい事だ、…既に憑依は始まった。 舘野、憑依完了の瞬間を見計らって、コイツの身体を「玄武」に食わせて、…一瞬で消滅させてやるが良い!」


舘野涼子の-273℃な瞳が、私をロックオン?し、…大きな「亀さん」の口は、…再び私の頭上に!


関目が、茜の腕を掴んで、私から無理矢理、…引きはがす!



三条:「御姉様!」/藤森:「ぎゃっ!…」


次の瞬間! まるで頭からずぶ濡れにバケツの水をぶっかけられたか、それか滝壺に飛び込んだミタイに、…


それっきり、私の身体は、翻弄されるがままに、激しい渦に巻き込まれて…


意識が、遠のいて行く、…










恐らく私は、マトリョーシカの様に、幾重にも折り重なった不可思議なオカルトの絶妙なバランスの中で、相変わらず存在を続けていた。


ファンタジーな「聖獣」のお腹の中で、可愛らしい男の子に化けた「悪魔」の中で、頼りなくいとおしくも健気な「ハムサ」と「ヒエログラフ」の呪いの中で、15年とチョットと生きた「藤森楓」と言う女の子の中で、



どこか、遠くで、私だったモノを呼ぶ声が聞こえる。

しかし、果たして、私とは、どのマトリョーシカの事だったのだろうか?


//:「黄昏ていないで、少し位は悲壮に泣き喚いたらどうかな?」

藤森:「嫌よ、疲れるじゃない。」


私の外側からも、内側からも声が聞こえる。…確か、私の魂を半分食べた「悪魔」の欠片が居たっけ。


藤森:「アンタ「悪魔」ナンデショ、何とかならないの?この状況、」

//:「無理だよ、僕に出来るのは、君に出来る事だけだもの。」


藤森:「アンタ、「願いを叶えるモノ」なんじゃないの?」

//:「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。 …ハッキリしないのが身上なんだ。」


藤森:「此処から脱出したい、って願えばいいんじゃないの?」

//:「僕自身には、願いなんて無いんだ。 だから君達の願いが必要なんだよ。」


藤森:「ソレにしても、どうして私は生きているのかしら? 息してるの?」

//:「目を開けてみたらどうかな? 厳しい現実が見えるかも知れないよ。」


そう言えば、私はさっき「凶悪な亀」の腹の中で溺れたっきり、固く目を瞑った侭だった、…それに、咀嚼されて、胃液に解かされてる自分の姿を直視するなんて、…ゾッとしない。


それでも、愈愈覚悟を決めて、そっと目蓋を、開けてみる、…

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