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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第十章:水×聖霊
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藤森:「アンタの頭ん中、痛い妄想ばっかリ腐ってんじゃないの? 人畜無害な幽霊イタブッタリ、…ヒトの全身に、変態じみた呪いの刺青、…入れタリ、…本物の魔導士なら、もっと悪い霊からやっつければ良いじゃないの!」


関目:「この近辺に、大和田千恵子とお前に取り憑いた「三年前の悪霊」以外の第一級有害霊は居ない。 私がワザワザこんな処に常駐しているのは、その為だ。」


藤森:「居るじゃない! 私を地下室で殺そうとした奴とか、私に鼠の死体をぶつけた奴とか、…あいつらも、どうせ私が惹き付けた三下悪霊なんでしょう! ああいう質の悪い霊から調伏ちょうふくすれば良いじゃない。 全く役立たずの魔導士よね、」


変態関目の顔が、顔面神経痛の様にヒクヒク、痙攣する。



関目:「お前本当に記憶がないのか?…ならば教えてやろう」

関目:「あれは、お前が自分でやったのだ。…現場には、お前以外に実行可能な「人間」は居なかったからな、…確かだ。」


藤森:「アンタ馬鹿? 何で自分で自分にそんな事しなきゃなんないのよ? 意味判んない。 日本語って知ってる?」



変態関目が、見覚えのない「バッタモンのスポーツバッグ」を、私の足元に放り投げた。


何だか、…変な匂いがする。


藤森:「くっさ、何よそれ、…アンタの?」


関目:「お前のカバンだ。 この中には、大量のハツカネズミの死骸が詰まっていた。 お前が自分で頭に乗せたネズミの死骸も同じペットショップで購入されたものだと言う事が分かっている。」


藤森:「はあ? そんなの知らないわよ。 変な言いがかり付けないでくれる?」


変態は、懐のポケットから、写りの悪い白黒の写真を取り出して、私に見せる。



関目:「店員は、お前の事を覚えていたぞ。 何しろ8匹のネズミを買うのに飼育環境に関する店員の質問にはっきり答えられなかったからな、店員は大型爬虫類のエサにするんじゃないかと思っていたらしいがな。」


ペットショップの監視カメラからプリントアウトしたらしい写真に写っているのは、確かに、…私に似ている。


でも、有りえない。だって、…



藤森:「何それ、知らない。…こんな店行った事無い。」


関目:「それにしても、これはまるで出来損ないの蠱毒ミタイだが、お前一体誰を呪おうとしてたんだ?」


何処か、喉の奥の方から、大量の唾液と一緒に、…断片的な、匂いの記憶が、…こみ上げて来る。



関目:「問題は、お前に記憶と自覚がないと言う事だ。 それは、多重人格的な脳疾患の症状か、悪霊に取つかれた者に稀に見られる脱魂憑依の症状だ、」


藤森:「嘘よ、…信じない。」



自分の姿の写った写真を、でっち上げだと思いたい。

けれども、写真の私が着ている服は、確かに、見覚えのある私の部屋着だ。 そして、私はこの服で外出した事は一度も無い。


だから、関目がこの服の事を知っているとしたら、それはつまり、私の部屋に忍び込んだと言う事になる。 


そっちの可能性も、同じ位に、…信じたく無い。



関目:「なに、症状が進んで、これ以上自分で自分をコントロールできなくなった場合は、速やかに私がお前を処理してやるから、過度に心配する必要はない。」



自分がやった事を、自分が覚えていない?

本当に、そんな事が起きているのだとしたら、…本当に私は悪霊に憑依されているのだとしたら、…


一体、私は、…どうすれば良い?

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