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イーヴィル・アイ(邪視眼)  作者: ランプライト
第六章:百合×女王
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-030-

正面の受付には、ビックリした顔の千恵子が一人で座っていた。…携帯を弄っていた様な形跡も無い。…


大和田:「あっ、藤森さん、おはよー、って、もうお昼かー、」

藤森:「大和田さん、もしかして今、歌、歌ってた? それか、独り言とか?」

大和田:「えー、歌ってないよー、」


また、急に、胃がムカムカする、頭がボーっとして、全身不愉快になる、…

親友が、何かに怯えた風に、じっと私の事を、見つめている、…


藤森:「何だか、中から話し声が聞こえたから。 ねえ美弥子、聞いたよね。」


ついつい、言葉に棘が刺す、思わず声が大きくなる、


萱島:「かえチャン、アンタどないしたん?…」


藤森:「どうして、嘘をつくのかなぁ? 独り言、言ってたよね?」


私は、何時の間にか、千恵子に詰め寄って、まるで言いがかりをつけるミタイに、受付の机に、「ダン!…」と両手を突いて!


大和田:「ごめんなさい、私、ごめんなさい、…許して!」

萱島:「ちょっと、…かえチャン、…あんた、おかしいで、…」



見えないポスター、聞こえない話し声、突然動き出す電動書棚、突然降ってきた鼠の屍骸、…


頭の中がグルグルする。 昨日からアンマリ寝てないし、今日は実は一番重い日だったりする。 何時もはクール?な私でも、万全の思考回路は望めない。 いやそれにしたって、この図書室に入った途端に、まるで貧血みたいにさーっと「何か」が抜けていって、…何かおかしい、…とうとう、私はその場に、立眩みして、…しゃがみこんで、…


萱島:「おーい、大丈夫かー?」


千恵子が、怯えた目で、私の事を見る。 私も、怯えた目で、睨み返す。


鈍い頭に、ジワジワと、だんだんと、重々しく、血の気が戻ってくる。 恐る恐る耳を済ませると、窓の外から聞こえてくる、…小学生達が誰かを苛めている声、…車の通り過ぎる音、…グラウンドをマラソンする運動部の掛け声、…そして、愈愈覚悟を決めて、今迄聞こえない振りをしてきたモノに、…耳を傾ける。 確かに聞こえてくる、いや、ずっと聞こえ続けていた「ひそひそ声」に、耳を傾ける。



//:「そうだ、そのカマトト女を、罵倒しろ。…」//:「その女の顔を、殴ってやれ。…」//:「悦びの悲鳴を上げさせてやれ。…」


誰が、何処から、一体何時から、囁きかけている? …私に異常な事を言って、…私に異常な事をさせようと誑かして、…誰が、私を操ろうとしている? 


私は急いで耳を塞ごうとして、直ぐに異変に気付く。 

掻き上げた髪の毛がごっそりと指の中に絡まって、…


抜けた。



萱島:「かえチャン!!…」


//:「もっと抜いてしまえ、そのミスボラシイ髪の毛を、全部毟ってしまえ!」


私は、泣きながら、痛みに耐えながら、何時の間にか、ブチブチと、自分の髪の毛を、力任せに毟り抜く。 必死に、萱島が私を止めようとするのに。 信じられない凄い力で、私は自分の髪の毛を抜いていく。


そして行き成り「誰か」の大きな手が、…私の首根っこを、もの凄い力で掴んで! 


私は途端に、…気を失った。


失神の瞬間に振り返って見た、その男は、…「中年非常勤保険医」、




エピソード6 「百合×女王」

登場人物のおさらい

藤森楓:主人公

萱島美弥子:親友、時々覆面女?

三条茜:クラスの女王、楓のサーバント?奴隷??と成り下がってシマタ、、

大和田千恵子:討論大会係の友達、何時も何かにビクビクしている?

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