「変身後と祈り」
少女に首を絞められた男はぐったりして、
そのまま仰向けに倒れた。
そのとき、
「やはり、
おまえが邪悪の根源だったんだな!」
という声がすると、
突然、少女の姿が変化した。
「ついに認めたな。
よし!
望みを叶えてやろう。
ただし、
これが最後だぞ!」
「カミサン、カミサン、カミサン」
ある男は、
必死に祈り続けたが、
聴いた声に反して、
何かが変化した様子はまったくなかった。
「カミサン、カミサン、カミサン」
ある男は祈り続けた。
「カミサン、カミサン、カミサン」
ある男は、
必死に祈り続けたが、
聴いた声の内容に反して、
何かが変化する様子はまったくなかった。
しかし、
男はそれでも必死に祈り続けた。
「カミサン、カミサン、カミサン...」
男は祈り続けても何の変化もないので、
初めて気づいた。
何をカミサンに祈ればいいのかということを。
自分の今の望みは何なのかと。
男にはわかっていた。
カミサンが
何でも望みを叶えてくれるわけではないことを。
そして、
今、
ここにいるのもバチのひとつのなのだと。
だとすれば、
祈るもの、望むものには限りがあるのだと。
そして、
男は迷ったあげく、ある決意をして、
あるものに変身できるよう祈った。
しかし、
男がいくら祈っても変身する兆候はまったくなかった。
これもダメか。
男はそう思うと、今度は別のものに、
変身するよう祈り始めた。
しかし、
それでも変化はなかった。
男は考えた。
反省の証。
それを示すものに変身させてもらうよう、
祈るしかないのではないかと。
しかし、
それが何かが、
男にはわからなかった。
「悩めるだけ、悩むがいい」
男にはまた声が聞こえたのだった。