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「別の姿と悩むかおむ」
すると、
「それが知りたいわけか?
教えてもいい。
だが、教えるからには、
もう選択の余地はない。
その姿に戻るのか?
イエスかノーで、
10秒以内に即答してもらう」
かおむにはたしかにそう聞こえた。
「即答だすか?」
かおむはまた悩んだ。
「10,9,8,7,6」
かおむには秒読みする声が聞こえた。
かおむは焦った。
「5,4,3,2」
「決めただす」
かおむは心の中でそう答えた。
かおむは心の中でそう言うと、
「で、どっちを選ぶんだ」
との声に、
「やっぱり、前の自分に戻してくれだすよ」
と心の中でそうお願いした。
すると、
「本当にいいんだな」
とまた声が聞こえた。
かおむは、
その声にまた迷ってしまった。
どうやら、
カミサンのおすすめは、
このままの姿ではないかと。
しかし、
目と脳だけの姿では、
かおむはどうしても耐えられなかったので、
「あのだすな。
別の姿はダメだすか?」
と欲張りなことを心の中で言ってみた。