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「70年後?」
「まだ、30代だよ!」
「30代だすかあ?」
「何、驚いてんだよ」
「冗談じゃないんだすかあ?」
「あー、やっぱり、
あんなとこに一月くらいもいたから、
少しおかしくなっちゃたのかなあ?」
かおむの計算では、
自分はもう100歳を優に超えているはずだった。
「何、数を数えてるじゃあ?」
「ああ、そのー」
「で、あんたはどこからやってきたんじゃあ?」
かおむは村人の一人にそう聞かれてとまどっていた。
そこへ一人の腰の曲がった年老いた老婆が入ってきた。
「冷たいもんでもどうかのう?」
「おい、ばあさん、
と言って、
若い男の顔でも覗きに来たのかい?」
「何言ってんだよー、イヤだねえ」
老婆はかおむの顔をちらっと見て、笑った。
そのとき...