21/62
「ワープ」
かおむは最初考えた。
落ちた穴と自分が見つかった穴が
通じていたのではないかと。
しかし、
地理的に、
いや、
物理的にありえなかった。
やはり、考えられるのは、
自分だけワープのような形で、
あの穴から発見された穴に飛ばされた可能性が高い。
カミサンの力か?
カミサンの罰か?
そして、
かおむは思った。
もとえは例の島にまだいるのではないかと。
しかし、かおむはまた考えた。
「あのー、今はいつだすか?」
「あー、記憶もねえのか?」
「××××年○月6日だよ!」
「おー?××××年だすと...」
「あんた、浦島太郎か?
なんで、そんなびっくりするんだい?」
かおむは今日の日付を聞いて、頭がくらくらしてきた。
「あのー、僕は何歳に見えるだすか?」
かおむはくらくら目眩がする中、
自分で自分の顔を触ったあと、
思わずそう訊いてしまった。
「やっぱり、浦島太郎かあ?」
「75!」
「いや、65!」
「70だろう!」
「おー」
「冗談だよ!」
その村の人間たちは、
深刻な顔をするかおむをみんなでからかっていた。




